公認ストーカー



『公認ストーカー』


ジャンル⇒ギャグ系
メイン⇒万事屋・近藤・お妙



【あらすじ】
お妙を愛でる男、近藤勲。
今日こそ『公認ストーカー』になれるのか?!






「万事屋ー!!!」

大声と共に近藤が万事屋に来た。


「んだよ、ゴリラ。何しにきた。」

「オマエ仕事はどうしたアルか!?」

「近藤さん…すみません。ちょっといざこざがあって、銀さんと神楽ちゃんは機嫌が悪いんです。……話なら僕が代わりに聞きますから。」


そう、今銀時と神楽は機嫌が悪い。
理由は本当にアホくさいもので、単に銀時のチョコを神楽が食べて……というものだった。


いつもとは少し違う近藤の様子に、新八は真剣な顔で聞く。

「それで、今日はどういった御用件で?」

「……新八君!!」


ガシッと新八の肩を掴んで、懇願する眼差しで見てくる。

「どうしたらお妙さんに認めてもらえるだろうか!!」


「…はい?」

「俺、いつまで経ってもお妙さんに振り向いてもらえないんだ!どうしたらお妙さんは俺の気持ちに気付いてくれるのか…」

「気持ちはもう十分伝わってると思うぜ。でもオメーさんはちょいと女心がわかっちゃいねぇ。」

「銀さん!」

喧嘩が終わったのか、銀時と神楽が話に参加してきた。


「…ゴリラー、要は『公認ストーカー』になりたいアルな!」

「…公認ストーカーって…何か違う気がしますが…。」


近藤は立ち上がると、三人を見て頭を下げる。


「頼む!力を貸してくれ。」


顔は本気そのもので、三人はそんなそのしょうもない頼みを断る事ができなかった……


***

後日…
いざ『公認ストーカー』になるべく始まった『女心を知ろうぜ!大作戦』。


「まずな、テメーはしつこく迫り過ぎだ。誰だって嫌だろ?」

「…まぁ…確かにそうかもしれんな」


…わかってんならするなよ…とツッコミたくなるが、ここは我慢だ。


「あと、あんまり『好き好き』言ってると、その『好き』は本気で言っていないように聞こえがちだ。」

「銀ちゃーん、よくわかってるアルなぁ。…もしかして昔そんな経験あったアルか?」


「うっせーよ。」


…図星だったらしい。



新八は全員分のお茶を入れながら話に参加している。

「姉上の話だと、近藤さんは『しつこい』と言ってましたよ。」

「んなっ!?どうしてもっと早く教えてくれなかったんだ!!」

近藤は急に落ち込み始める。
神楽は近藤の肩を慰めるように叩いていた。


「まぁ、それが気付けない時点でもうダメだったアルな。」

「まっ、諦めるんだな。」


銀時と神楽は急にやる気を無くしたようで、適当なことを言い始めた。


「近藤さん、一度きちっと姉上に好きだと伝えるべきですよ。」

「…新八君っ…!!わかった!今から伝えてくる!」


「あっ、ちょっと近藤さんっ!?」


潤む目を擦り、近藤は万事屋を飛び出していった……



***

「お妙さん!!」


恒道館前……。門を叩くとお妙が出てきた。


「あら…近藤さん、今日は何の嫌がらせかしら?」

声は和やかだが、顔が笑っていない。


「…お妙さん…話があるんだ…。」

「…まぁ…上がってくださいな…。」


近藤の真剣な表情に、お妙は何かを感じとったらしく、中に招き入れた………






「それで?話とやらはなんですか?」

「…まず…お妙さんに謝りたい…。俺は今までお妙さんに嫌がらせばかりをしてしまっていた気がするんだ。」

「近藤さん……」


「…でもわかってもらいたい。俺はお妙さんが好きだから少々しつこく迫ってしまったんだ。…お妙さんの気持ちも考えずに…。」



近藤は全てを打ち明けていった。
お妙は黙って頷いている。


「…お妙さんっ!!だから頼むっ!これからも『公認ストーカー』でいさせてくれ!」

「……はい?」

「だから『公認ストーカー』でいさせてもらいたいんだ!!」

「…近藤さん、一ついいですか?…いつ私がストーカーをしていいと言いました?」

「えっ…いや…あの……。」

「…テメーはいつまでも動物園のゴリラの檻の中で生きていけやー!!!」


バギィ!ボギィ!!




…雰囲気ぶち壊し。
近藤はどこをどう間違えたのか、ただの告白でよかったはずなのに、公認ストーカーになることを望んでいた……。



その日の夜、新八は散々お妙の愚痴を聞く羽目になった……

「…ったくあのゴリラ、いつから私がストーカーしていいと許可したか……。最初はあんまり真剣に話すからドキドキしてたのに……。やっぱりゴリラはただのゴリラだったわ。」

「…姉上…。」


「あと新ちゃんいいこと?これから私絡みで、あのゴリラの依頼を請けるようなことがあったら…どうなるかわかってるわよね…?」


もはや恐喝に近い迫力……。新八はただ黙って頷くことしかできなかった……。




近藤の冴えない戦いはこれからも続く!!!







end





〜一言〜
書き始めはスラスラ進みましたが…中盤からあやしくなり始め…そして結末はグダグダになってしまいました…。
こんなんなら書かなきゃよかったな…と。

…皆さん、近藤の気持ち、どうか察してやってください…
彼はいつだって本気なんです…!
ただ馬鹿だから空回りしまくってるだけだと思います!!


次回はもっと楽しい話が書けるように頑張ります……




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