転校生4


*****
真夜中…ふいに誰かが高杉を起こそうとしている。

「…すぎ……高杉!」

「…ん…んだょ…あれ?銀八…?何だよ…」

「テメェ!人の家に女を連れ込むんじゃねぇ!…まぁ確かにお前の家かもしんねーけど!」

「はぁ?何言って……えっ?また子!?」

「……んっ……あれ…?晋助様?どうし……って!!キャッ!!」


銀八、高杉、また子の3人は現在の状況が全く把握できていなかった。

「なんだ?高杉。彼女か?…にしてもお前ってば自分のこと『様』なんてつけて呼ばせてんの?」

「べべべ別に私と晋助様はそういう関係じゃないっス!しかも様を付けて呼ばせていただいているのは、私が勝手にそうしているだけっスから!」

銀八の『彼女』と言葉を聞いたまた子はみるみる顔を赤くした。

首を傾げる高杉。

「何でまた子が此処にいるんだ。」

「…高杉…まずはまた子さんとやらに服を着るように言ってやれや。」

「キャッ!自分ってば…なんてはしたない格好を!」






*****

また子が服を着たところで話の本題に入る。

銀八は煙草をふかしながら高杉とまた子をチラチラ見ている。
また子はさっきの格好を見られた事を未だに引きずっているのか、俯いたままである。

高杉は何かを思い出したかのように立ち上がると、急にまた子の胸ぐらを掴んだ

「…また子、テメェ……『あのバイト』引き受けたのか!」

「『あのバイト』って何よー?」

「テメェは黙ってろ。…どうなんだ?」

「引き受けてなんていないっス!晋助様にやるなと言われたっスから何もやってません!」

緊迫した空気が流れる
そんな二人の様子にただ事ではないと感じた銀八が、真面目な顔をして割り込む

「お二人さん、一応俺も教師だからね、あんまり怪しいことしてると注意しないといけないんだわ。…それで、なんだ?」

「…『あのバイト』ってのは所謂『夜の仕事』。コイツ、前からしつこく誘われてたんだよ。」

銀八はギョッとまた子を見た。

「確かに今日も誘われたけどちゃんと断ったっス。」

「…ホントだな。」

「晋助様に嘘ついてどうするっスか。」

それを聞くと、高杉はホッと胸を撫で下ろした。

「それで?何故にまた子さんはこんな格好だったんですかねぇ?俺ァそこが気になってしょうがないんだけど。」

「わっ、私は此処に来た記憶が全くないっス。」

ニヤニヤと笑いながら高杉を見る銀八。

「…俺は何もしてねぇぞ!!」

「嘘つくなって「嘘ついてねぇよ!死ねジジイ!」


翌日になってわかる事だが、今の高杉はただ銀八にからかわれるだけであった……







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