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シ「帰ったぞ」
ア「あ、おかえり」
シ「飯」
ア「珍しいな、シキが帰ってすぐに飯だなんて」
シ「悪いか。今日は疲れているんだ。早くしろ」
ギロリと睨らまれた。
ア「わ、わかった…(何で怒ってんだよ…)」
シ「…………」
シキはソファーに踏ん反り返り、テレビを点けた。
何を作ろうか考えるアキラ。自分が出来る料理は…
ア「シキ、オムライス…作ってみるから。」
シ「好きにしろ」
ア「…ちょっと待ってて…」
オムライス…そういえばアレの中って何が入ってたんだっけ…アキラは思い出せなかった。
シ「……おい」
ア「…なんだよ」
シ「変なものは入れるなよ」
シキはニヤリと笑いながら言う。
ア「うっ…わ、わかってる!」
…とは言ったものの…あの卵の中に何が入っていたのか全く思い出せないアキラ。それでも頑張って作ってみることにした。
シ「……ふん。つまらんな」
シキは寝転がりながらエ○タを見ている。
全く思い出せないまま数時間が経過、アキラは何とかオムライスの形にすることに成功した。
***
ア「シキ、出来た」
シ「遅い。貴様、俺を飢え死にさせる気か…」
心なしか、シキが少しゲッソリしている…
ア「…ごめん。…でも頑張って作ったから」
シ「…………。まあいい、味は如何程の者か、食通の俺が見極めてやる」
心なしか、少しシキの目が輝いている…
ア「(食通!?そんなの初めて聞いたぞ…!)味はどうあれ、俺は頑張った…」
心配そうな目でシキを見た。
シ「言っておくが、俺は調理の資格免許を持っている」
シキはふふん、と鼻を鳴らす。
(どこで資格取った!!どこで資格とったんだよ!教えてくれよ!)
ア「へ、へぇ…」
疑うような目でシキを見る。
シ「何だその目は。他にもあるぞ。危険物取扱の資格、ピアヘルパー、秘書検一級、英検一級、漢検一級、(以下略)」
シキはそう言いながら引き出しから認定証をばらばらと出す。
ア「シキ…見直した。俺、シキのこと『元殺人鬼』としか思ってなかったから…。あ、いや、あとは…俺の…」
シ「惚れ直したか」
不適に笑うシキ…
ア「べ、別に惚れ直してなんか…ない…」
シ「貴様も素直じゃないな…。一つ良い事を教えてやろう」
ア「…なんだよ」
シ「夜な夜な、寝言で俺の名をいつも呼んでいるのは何故かと思ってな…」
くいっと顎を掬われ、硬直するアキラ。
ア「う、嘘だ…って!や…めろ…」
…と言いつつも以前やましい夢を見たことがあったため、それ以上は何も言い返せなかったのだった。
シ「ふん。このオムライスを食った後、貴様も存分に食ってやるから安心しろ」
ア「…っ…。……というか早く食べろよ」
恥ずかしくて話を逸らそうとする。
シキはくつくつと笑いながらオムライスを口に運ぶ…が…
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