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レストランからの帰り道、いつもより体温の高いアキラをおぶって誰もいない川原道を歩く。
シキはゆっくりと歩きながらアキラに静かに話しかけた。
「結婚する前の年の4月1日、確かお前は『エイプリールフール』が何とか言っていたよな」
「……。」
「お前は少し俺の言葉を疑っていたようだが、俺もお前と同じように疑っていた。エイプリールフールは関係なしに、だ。
『一生アンタについていく』…この言葉を信じていいのかわからなかった。」
「……。」
「だが、俺もお前も互いの言葉を信じた。だから今がある。今、こうしていられるのはお前のお陰だと思ってる。」
「……。」
「面と向かって何度も同じことは言わない。だが、思っていることは今も変わらない」
独り言のようにシキは呟く。その時、アキラの身体がモゾッと動いた。
「…アキラ」
「……ッ…。」
…まさか途中から酔いは醒めていて眠ってもいませんでした、などと言えるわけがない。
シキは完璧に騙されている。アキラは心の中でガッツポーズをする。
シキもまた、アキラに見えないように笑った。
アキラは途中から酔いは醒めていたこと、途中から起きていたことに気づいていた。
アキラは完璧に騙されている。
「…ん…」
「目が覚めたか」
シキの体温を感じる
首筋に顔を埋めればシキの匂いがした。くすぐったいと言われたが気にしない
「一番人間の体重が重くなる寝ている状態でここまでおぶってやっているんだ。この貸しはあとできっちり払ってもらうからな」
目が覚めたのなら降りろと言われたが、そうはさせまいとアキラはギュッとシキの首に腕を回した
「…家に帰るまで…いいだろ…?結婚記念日なんだから甘えたっていいだろ…?」
「そんなこと言って…。全く、まだ酔っているのか」
「……そうかもしれない」
俺は一生忘れない…
あの時のシキからの言葉を…
俺の初デートは一生の宝物だから………
end
30000Hitフリリク作品第4弾でした。
シキアキ夫婦で馴れ初めor初デートということでしたが、『初デート』のほうで書かせていただきました。
ナオ様、いかがでしたか?ご期待に添えない形になっているかもしれません(汗)
どうしても、初デートは4月1日にさせたかったんです(個人的な事情で)
私の中でのアキラは動物が好きなんじゃないかなぁと思っているので、シキにどこに行きたいと聞かれて迷わず『動物園』と言わせてしまいました。
4月1日のエイプリールフールというのを利用してお互いに騙しあうこともさせてみたかったんです←
本当は4月1日にアップ予定でしたがずれてしまい、申し訳なかったです…
よろしければお読みください!!
よろしければ感想などをお聞かせください!!
ナオ様のみお持ち帰り可です!!
2010.4.3
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