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「シキ、花火が始まるみたいだ。」
アキラとシキは河川敷に腰掛け空を見上げた。
花火は20時からなので、あと1分程だ。
「シキ」
改まったかのようにきちんと座り直すと、シキのほうを向いた。
「ありがとう」
「?何だ、いきなり」
シキがアキラのほうを向いたのと同時にアキラはシキの唇に自分の唇を重ねる。
それを待っていたかのように20時の開始の花火が月夜を鮮やかに照らした。
アキラからそういうことをするのは珍しいのでシキは驚くばかりだった。
「珍しいな。」
「…ただ…したくなっただけだ…」
シキに目を合わせないようにするアキラ。
自分のしたことが余程恥ずかしかったのだろう。
祭りに来ていた人が二人のことを見ているわけもなく。
今度はシキが強制的に口づけた。触れるだけのキスが次第にエスカレートしていき、周りの目も気にせず二人だけの時間を楽しんだのだった………
***
「どうして『ありがとう』だなんて言ったんだ?」
「…いや、もしシキが祭りに行こうって誘ってくれなかったら自分から行こうだなんて言わなかっただろうし…行かなかっただろうし…」
「…楽しかったか?」
「…あぁ。……あのさ…」
アキラがそこで一旦話しを止める。
「…何だ?」
「…また来年も…行こう」
たどたどしい言い方ではあったが、アキラから誘われたことがシキは嬉しかった。
「どうしたんだ、今日のお前は変だぞ。」
「…ま、祭りだったから…テンションがおかしいだけだ!!!」
確かに、今日の自分はおかしかったかもしれない、そんなことを思いながら最高の夏は終わったのだった………
end
最後までお読みいただきありがとうございました!!!
今頃アップかよ!と思われた方もいるかもしれません。。。
実は、このお話、出来るまでに2回ほど書き直したんです。まぁ、書き直しても特にクオリティが上がることもなく…(笑)
申し訳ないです!
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2009.09.11
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