C




物音で目が覚めた。
そう、シキが帰ってきたのだ。


布団の中でうずくまってアキラは眠っていた。




「効いてきたか。」

「??」



シキの手がアキラの頬に触れる。
するとアキラはピクッと反応した。

シキの言っている意味が分からず首を傾げるとシキは口端を吊り上げた。


「昨日の夜、マーボー豆腐を食べただろう?」

「あぁ。」

「アレに薬を混ぜた。」

「薬…?」

「世間ではそれを『媚薬』というらしいが。」



媚薬…
それを聞いてようやく自分がどういう状態になっているのかを理解した。

この感覚は薬のせいだったのか。




「この薬は即効性ではなくて、服用してから20時間が一番ピークだと書いてあったがどうだ?」

「…ふ、ふざけるな!」


顔を真っ赤にして怒る。



「…そんなに強がっていいと思っているのか、貴様は。」

「…な…に言って…っ!!」


被っていた布団を跳ね除け、シキがアキラの腕を一つに纏めあげる。
もう片方の手で服を捲り脇腹を擦ると身体が面白いくらいに跳ねた。


「…っ…ぁ…」

「…脇腹だけで感じるのか、貴様の身体は。」

「…っ…ちが…っぅ…」

アキラの唇に自分のものを重ね、貪るように口付けを交わす。
薄く開いた唇に舌をねじ込み歯列を割って中に押し入る。


「…ん…っ…ふぅっ…」


躊躇する舌を無理矢理絡めるとアキラの身体が熱をもった。
いつもよりも更に猥らな表情を見せ、いつしかアキラも夢中になっていた。
シキの首に手を回し、深く深く口付ける。


暫くしてシキが離れた。
どちらのものかわからない唾液が顎を伝う。
その姿は非常に色めかしい。


「…キスだけでココをこんなにして…」


アキラの物は布の上からでもわかるくらい主張していたのだ。
そこに軽く触れると、アキラは熱っぽい声を出した。



「…どうして欲しいか言ってみろ。」

「…っ…ぃゃ…だ…」


残った僅かな理性で否定の言葉を述べる。


「ならばこのまま放置してやろうか」

「…っ…」



酷いことを言ってアキラを追い込む。

シキはアキラの胸の突起に舌を這わせると身を捩って離れようとする。
開いた手でもう一方の先端を少し強く摘むと観念したように言った。



「…触って…欲しい…」

「…フン、いいだろう。」


そう言うと一気にズボンと下着を下ろした。
曝け出されたアキラの雄は先走りで濡れていた。


「全く、やらしいな。腰を揺らして。」


自分でも気づかぬうちに腰を揺らしていた。
アキラはかぁっと顔を赤くする。


「…見るなっ…」


何をするのかと思えば、シキはアキラの雄を何の躊躇もなく口に含んだ。

根元から先端に舌を這わせれば、アキラが止めてくれと言わんばかりにシキの髪を掴んだ。


「…ゃ…やめっ…いゃ…だ…」

「…いいの間違いだろう?」


そう言ってやめようとはしない。
頭を上下に動かし、吸うように刺激を与えるとアキラの身体が跳ねた。


「…もう…ィ…っ!!」

その時、急に先端を握り込まれ、達することができなくなった。
苦しげな顔をシキに見せると、シキは自分にも同じようにしろ、と言った。




早急な手つきでズボンのファスナーに手をかけるとシキのものを取り出し、同じように口に含んだ。

咥内に苦味が広がる。
無理矢理頭を掴まれ出し入れさせられ息苦しさと嗚咽感で涙が流れた。



不意に顔を動かすのを止めさせられ、どうすればよいのかわからなくなる。

シキの額にも汗が滲んでいる。苦しいのだろう。

力いっぱいアキラを押し倒すと指を後ろの蕾に差し込んだ。
普段なら激痛が走るが、今はそれさえも甘美に感じる。

先走りが潤滑の役目を果たし、難なく指が出し入れされる。


「ぁ…っ…んっ…ふっ」


薬のせいで歯止めがきかない。
自分から更に快感を求めようとシキの首に腕を回した。


「…いつもこのくらい積極的だといいんだがな。」


シキにからかわれ腹が立ったが、ここで自分が怒るとシキがどうしてくるか分からないのでじっと我慢した。





部屋に水音と肌同士がぶつかる音が聞こえ、聴覚をも犯す。
シキが奥へ奥へと突き上げる度に上がるアキラの嬌声……



「…んぁ…シキ…もうっ…っああ!!」


目の前がスパークしたかとおもうとアキラは達した。
その時の中への締め付けによって、ほぼ同時にシキもアキラの中に自分のものを注ぎ込んだ。


繋がったままぐったりとする二人。
いつもならこれで終わりになるのだが、今日は違った。


「…はぁ…はぁ……りない…」

「…何だ…?」


呼吸が荒いせいでよく聞き取れない。
アキラが何と言ったのか確認しようと顔を近づけると、アキラが急に汗ばんだ手でシキの頬を挟むと自ら唇を重ねた。

予想外のアキラの行動に目を見開くシキ。
自分から歯列を割って舌を挿し入れ荒々しく絡ませる。

こんなことをアキラからしてきたことがないので、シキは固まったまま為すがままになっていた。

少しの間貪っていたが、徐々に息苦しくなってきたのだろう。
アキラは空気を取り入れるべく唇を離した。


「…アキラ…?」

「…どうしてくれるんだよ…俺の身体が勝手にアンタを欲しがってる…」

「………」

「…足りない…シキが足りない……俺をこんなふうにさせたんだ、責任取れよ…」


顔を真っ赤にしてアキラはそう言った。
シキは短く溜息をつく。


「全く。仕方がないな。もっとお前が媚びたら続きをしてやらなくもない。…どうする」

未だ繋がったままの身体を更に密着させると、アキラはシキの耳元で囁いた。



「…シキのが欲しい…」








月明かりに照らされる二人のシルエット
これから再び長い長い夜が始まる………








end







うわわわ…一言で言うと『恥ずかしい!!』です。
このまま消えてしまいたい気分です。はい。

今回は媚薬使用ということで、アキラがもう…積極的でシキがワクワクです!←
そして私もドキドk……←

まぁ、夫婦なんでいいのかなぁ…と思いながら当初は予定していなかった裏ものを書いてしまいました。
…本当に恥ずかしいのなんの…あぁぁあ!!
夜が明けるまでラブラブしてたらいいと思います!!



2009.05.09



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