溶けてしまいたい


(シキアキ軍服ED)+ポッキーの日



11月11日…そう、ポッキーの日。
ポッキーが何なのか全く知らない俺は夜も明けていない薄暗い城の廊下を歩いていた

指の先が凍るように冷たい

つい先日までは暑かったのにな…

俺は一際重厚な扉の前で足を止めた。
そう、ここは総帥の部屋だ。
最近、総帥を起こしに行くのが日課に…というか来るように、と言われているのだ。

コンコン…

ドアを開けると立派なソファーと、仕事用のデスク、革張りのチェアー、そして一番奥には大きなベッドがある。


「失礼いたします」

小声でそう言いながら中に入る。

ベッドに近づくにつれ見えてくる漆黒の髪の毛

すやすやと規則正しく寝息を立てている総帥。



仕事の時とは違う、柔らかな表情をしていた。


「総帥…」


ベッドに腰掛け、耳元で囁くと、いきなり手首を掴まれて布団の中に引きずり込まれた。

咄嗟に反応出来なかった俺はバランスを崩して総帥に抱きつく形になってしまった。
慌てて立ち上がろうとしたが、総帥はそれを許さない


「アキラ」


優しく抱きしめられて、俺は動揺した


「嫌…か?」


「いいえ、とんでもありません。ただ、驚いただけです。」

総帥はクスッと微笑んだかと思うと、俺の髪の毛を優しく撫で、敏感な脇腹を撫で…

「…っ…総帥そこは…」

「?…嫌なのか?」

「そういう訳ではなく…」

「じゃあ何だ?言ってくれなければ分からんぞ。」

尚も撫でる手を止めず、焦らすように動かしている


「感じてしまうので…っ…」



あぁ…息が上がる


いつもは乱暴に抱いてくる総帥だが、今日は何か違う。



「総帥…っ」



その手を止めてもらおうと身体を捻るがそんな俺の姿を見ながら楽しそうに触れてくる。


このままでは…



「相変わらず淫乱な身体だな。俺はただ触れているだけだが?」



俺の弱い所を全て知っているので、わざと執拗にそこばかり触ってくるのだ。


総帥の舌が俺の耳をなぞるように舐める
そのあとわざと音を立てながら耳の中を犯される…


「っ…んっ…ぁ…もうっ…」



「…アキラ」


耳元で囁かれ声が腰に響いた。


「…ポッキーと言うお菓子を知っているか?」


「…?」


今日の総帥はどこかおかしい


名前しか聞いたことがないので、首を傾げると総帥は腕を伸ばし箱を取り出した。


「これだ」

「ビスケット…?チョコレートがコーティングされているんですね…」


散々焦らしてきた総帥は俺の身体に触れるわけでもなく今度は箱の中身に夢中になっている。

正直、どうしてこのタイミングでこのお菓子を取り出したのか。

全く理解出来ない…


「今日は11月11日…ポッキーの日だそうだ。」

「ポッキーの日…ですか?総帥もそういうものに興味がおありだったんですね」

「いや、ただ城にいる兵士から聞いただけだ。これをな、こうするらしい」


総帥は1本の端を口に咥えてこっちを見た。


「寝ながら物を食べるのは性に合わんがな。仕方ない…。早く反対側から食べて来い」

「そんな!総帥が食べている物をいただく訳には「これがルールらしい」

言葉を被せると少し不機嫌な顔でこっちを見ている。


俺はチョコレートの付いたほうから食べて行く

総帥の顔が近づいてくる



キスしてもいいのだろうか…?



唇に触れるか触れないかで止めると、頭の後ろに手を回されて無理矢理唇を重ねることとなった。

温かく柔らかい感触と、チョコレートによって甘くなった俺の咥内を総帥の舌が這い、その後貪るように俺の舌に絡めてくる

先程、焦らされ続けた身体とこのキスで俺の心の枷が外れた気がした




「総帥、すみません…俺…もう我慢出来ませ
ん…」


今度は俺からキスを仕掛けた

「ア…キラ」

「…ん…っ…そ…すい…このチョコレート…のように…貴方の中に…溶けてしまいたい…」

今日の総帥もおかしかったが、俺もおかしい

でも、そうさせたのはポッキーのせいなのだ…




多分…




俺は強く抱き合い、再び口付けを交わしたーーーー





まだまだ夜は明けない………





end





(感想などを書いてみる?)

※※※
お久しぶりです。
なんか恥ずかしいですねwwそしてもう11日ではなく12日になってしまいました/(^o^)\
その後どうなったかは読んでくださっている皆様のご想像にお任せいたします←
最近、ずっとサイトのほう停滞してしまい申し訳ありません!学生の時はたくさん書く時間があったんですが(授業中とか授業中とか(ry)社会人になり、色々環境が変わり、のろのろ亀更新になってしまいました…本当にスミマセン…。こんなサイトですが、たまに更新しますので、思い出した時にちょろっと覗いて頂けたら嬉しいです。
最後までお読みいただきありがとうございました。

夏野みかん
2016.11.11(ポッキーの日)



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