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そう、今日は2月14日、バレンタインデーだ。

運良くこの日は城外に出る必要もなく、午前中の会議が終わってからはフリーだったのだ。

アキラはこっそり調理場を借りてチョコレートを溶かして、『媚薬』を少しチョコレートに混ぜた。
無色透明なその薬は、甘い匂いによって存在を掻き消され、見た目からでは全くわからない。

では、この『媚薬』をどこで手に入れたのか、それは一人の兵士からだった。

シキとアキラがそういう関係だということは、語らずとも勝手に広まっていた。
アキラは毎年この時期になると少しそわそわしているのが兵士たちからも丸わかりで、何か手助けをしてやりたい…そう兵士は思っていた。


「アキラ様」


廊下で呼び止められ、立ち止まる。


「アキラ様にこれを…」

「…?これは何だ?」

兵士に手渡されたのは小さな小瓶だった。疑い深く中身を見るが、アキラにはそれが何かわからなかった。

「…媚薬です」

「…媚薬…」

「決して毒物ではありませんのでご安心を。…アキラ様、そろそろバレンタインの時期ですね!無味無臭、無色透明なので、チョコレートとか…あっ、そうだ…用事がありました…!失礼します!」

わざとらしく兵士は慌てたような素振りをして、一度深々と頭を下げてからその場を去って行った。

右手に握りしめた小瓶…


「チョコレートに混ぜる…?いや、それとも俺が使えばいいのか…」


迷うところであった。


でも、せっかくならあのお方に使ってみたい…


イタズラ心と敏感になるシキを想像して、アキラはクスッと笑った……



それから夜になり、アキラはシキの自室を訪れた。小さな箱を握りしめて。

ドアをノックすると中から「入れ」と聞こえ、ドアを開けた。

「何の用だ?」

「夜分遅くに申し訳ありません。貴方にこれを渡したくて…」

「ほう…バレンタイン…か。」


黒い革張りの椅子にゆったりと腰掛けて、シキは箱を開けた。

中には特別な感じに見えない、不器用な人間が作ったようなチョコレートの塊があった。それを見てシキは口元を緩めた。

「食べてもいいか?」

「もちろんです。」

一粒口に放り込むと、途端に甘さが口いっぱいに広がった。

アキラはその様子をジッと伺っていた。混ぜた薬は直ぐに効力を見せるのか、それとも時間差で来るのか…

シキは何事もないかのように二つ目を食べている。

もしかしたら、シキには効かなかったのか?
そんな気さえしてくる。


最後の一粒を食べ終えて、口をゆすぎ、ベッドのほうに向かうシキ。

「何をしている、早く来い。」

ぶっきらぼうで、怒っているように聞こえるが、その言い方に棘はない。

「宜しいのですか?」

「…何度も言わせるな」

「失礼します!」

アキラの表情が明るくなる


アキラはシキのベッドに入り、一緒に寝ることになった。






「媚薬…か。なるほど。」

シキはこの状況を楽しんでいるようだった。

いつもより少し高めの体温で触れてくるシキの手を頬に付けてアキラは微笑む。

「総帥…」

そっと目を閉じて口付ければどちらからともなく口付けを深くする。
互いの舌が歯列を割って中に入り込み熱く絡む。





「っふ…総帥ッ…」

息もできないほど荒々しくキスをする。

夢中になっていると不意に脇腹を擽られ、身をよじったアキラ。

アキラ自身もキスによって熱を帯びているが、それ以上にシキの体温も高い。


もしかして…これは…



「まさか薬が効くとは思ってなかった。」


ぶっきらぼうにそう吐き捨てるとアキラの身体をきつく抱きしめた。

ここまでシキがアキラを求めてくることはあまりない…いや、初めてだろう。

どうしたらいいのかわからないアキラはただシキのされるがままになる



再度咥内を舌が彷徨った後、その唇は首筋へ、胸の飾りへ…

ピンと固くなった赤い突起に舌を這わせれば、白い身体がビクリと跳ねた



「…ぁっ……そ…すい……メ…ですって…」

「ほう?そう言っている割にはこっちはドロドロになっているがな」


クスクス笑われながら先走りを垂らす先端を指の腹で撫でると、顔が真っ赤になった。



「あっ…!…んんっ…」


淫らな声を出さまいと唇を噛むが、それをさせないようにシキの指が無理矢理口の中に入る。
その指をいやらしく舐めるアキラの姿を見て、シキは息を呑んだ



「アキラ…」

掠れた声で名前を呼ぶ。


「痛いかもしれないが挿れるぞ」

「えっ…ちょっ…そう…す!!!んんんんっ!!!!」

両膝を抱えられ、解していないそこに固く猛ったシキのペニスが挿入される。

しばらくの間受け入れることのなかったそこは引き裂けるような痛みを放った


痛さのあまり涙が出たが、せめてもの罪滅ぼしのつもりか、シキはアキラの口を塞いだ。


「んっ!…ぅ…っ…ん…」

アキラはシキの首裏に腕を回した。



根元まで入ったのだろう、シキが深いため息をつく。
汗と熱でぐっしょりになったアキラの頭を優しく撫でる


「…お前が悪い」


手つきとは違い、棘のある言い方



「お前のことを気持ちよくさせる余裕すらない自分が本当に馬鹿みたいだ。」

「…いいんです…っ…俺…っ…その…」

途中まで言いかけて口を閉じるアキラ



「何だ」

「いや…何でもないです…」

「言え」

「…貴方に…激…しく抱いてもらいたいんです…っ…」

「…淫乱め。まさかそんな言葉がお前の口から聞けるとは思わなかった」


そう言うと、一度先端のほうまで引き抜いて、一気に腰を進めた。

激しく律動され、言葉が出ない。出るのは淫らな喘ぎ声だけ……


「っぁ!…っ!あっ、あっ!激しす…ぎ…!んっ!」


気持ち良いところを執拗に擦られ、声が上ずってしまうが、シキが自分に夢中になっている…そう思うと嬉しくて、ついはにかんでしまった・


「ほう?笑う余裕があるんだな」


「そんな…こと…な…ああっ!」



更に穿つスピードが激しくなり、意識が飛びそうになる。



「し…シキっ!シキっ!あああああああッ!!!」

普段呼ぶことのない名前を呼びながらアキラは達した。

互いの腹の間をおびただしい量の精液が飛び、ほどなくしてシキも己の精液をアキラの最奥に放った。


ゆっくりベニスを抜くとドロッと精液が出てきた。
息を整えようと深呼吸をする。


アキラは意識を飛ばしていた。


「…激しすぎた…か…」


アキラの名前を呼びながら軽く頬を叩くと、アキラがうっすら目を開けた。


「…そう…すい…」


シキの目を見て、力なくはにかんだ。



「…アキラ」

「?」

「申し訳ないが、もう一度相手してもらうぞ。」

「え…っ!ああっ!」



ドロドロになった蕾に衰えを知らないシキのペニスが再び挿入され、また動き出す。



「…お前が悪いんだからな。…でも、こんなバレンタインも悪くなかろう?なぁ、アキラ」


「……夜は…まだ長いです…からね、総帥…っ…!」






城内ではそのあとも淫らな音が響き渡っていた・・・・・・・・・・・


















あとがき

ふぅ…バレンタイン小説でした。
いかがでしたか?
なんか、書いてて疲れましたww

裏モノ、久しぶりだったので、なんかおかしいです。ごめんなさい><


感想などありましたら、よろしければ…



(感想などを書いてみる?)



最後までお読みくださり、本当にありがとうございました。


2014.02.14
管理人 夏野みかん




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