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部屋に入るといきなり手首を掴まれてベッドに押し倒された。
反抗したくても疲れきった身体が抵抗できるはずもなく、されるがままになっていた。


「んっ…んん…」

押し倒したときとは違い、優しくシキの唇がアキラに重なった
啄ばむように口付けられる。

間近にあるシキの整った顔にドキリとした。


わざと音を立てて耳でもアキラを犯そうとする。
感じているのか、アキラの身体は徐々に火照っていく。

「身体が汗ばんできたぞ…感じているのか?」

「…っ…ふ…そ…そんなふうにされたら…そうなります…って…」

途切れ途切れにアキラは話す。

「触れるだけのキスでここまで感じるとはな…」

「…それは…っ…貴方…だからです…」

泣きそうな顔をしながらも、恥ずかしさのあまりシキを視界に入れないように目を閉じた。

「では…、舌を入れたらどうなる…?」

アキラの反応を楽しむようにシキは薄く開き浅い呼吸を繰り返すアキラの咥内に舌を滑り込ませた。
アキラの舌を絡ませると熱い吐息が吐き出された。


「…っ…ぅっ…ん…はぁっ…総帥っ…」

ねっとりと咥内を舐め上げればアキラの身体がモゾモゾと動いた。
アキラもキスに夢中になっているようで、シキの首に腕を回し、更に深く交わるようにした。





器用にシキがアキラのネクタイを解き、軍服をはだけさせた。
急に身体が外気に晒され、少しの寒さに身を捩らせた。

ツンと立っている胸の飾りを摘んでやれば普段とは違う声色が紡ぎだされた


「あっ…!…そう…すい…駄目です…ふぅん…ん…」

キスはアキラの頼みであるから、それはずっと欠かすことなく続ける。

いつしか立ち上がり、透明な液を流していたアキラのものをやんわりと掴み扱くと一瞬息が詰まった


「ひゃっ!…それは…やめ…ん、んんっ…」

「…気持ち…いいか?」

答えなど聞かなくてもわかるのに敢えてシキはアキラに問う。


「…きもち…いいです…」

一方のアキラは上からも下からも刺激を受けて、あまりの快感に思考が追いつかなくなっている。

首に回していた片手がシキの腕を掴んだ。


「…もう…やめてくださ…ぃ…、それ以上したら…」

「恥ずかしがることはない。イっておけ」

シキの手の中に自分の欲望を吐くことだけは避けたかったが、限界はもうそこまできていた。
強弱をつけて扱かれ、咥内は舌で犯され…


「そうす…い…んんっ!…シ…キっ…シキ…!!ああっ!!」

ドクッと欲望が吐き出され、強烈な快感が全身を駆け巡った。
頭がスパークし、思考が一瞬停止する。

シキの手を汚してしまったことに罪悪感を抱くが、「気にするな」とでも言うようにアキラの頭を撫でた。


「…はぁ…、っ…すみません…俺…」

「今のお前の姿を他の兵士が見たらどんな顔をするのだろうな?」

からかうような口調でそう言うと、アキラは泣きそうな顔をした。


「…それだけは止めてください…」

こうして懇願しないと本当にされかねない。

「フン、冗談だ。」

きっぱりと言われ、アキラはホッと溜息をついた。


「俺…さっき貴方のこと…名前で呼んでしまいました…」

「そんなことを気にしていたのか?……俺の名前を呼んでいいのはお前だけだ。それに、あの状況下で名前を呼ばれるのは…クるな」

「…!……」


シキは息を整えようと浅く呼吸をしているアキラを抱きしめると、耳元で囁いた。


「今度は俺の番だ」

「…しかし!それでは貴方のお体に負担が…」

「明日は日曜日だ。それに、生殺しさせるつもりか?」

誘うような低音でそれを聞くと、アキラは自分から口付けた


「貴方が望むように抱いてください」





***

朝日がまぶしい
直射日光が顔に当たり意識が覚醒した。

「…!!」

そうだ、今日は日曜日だった…と再び布団に入る。
隣を見ると質のいい黒髪が見えた。

…こうして自分がシキよりも先に目覚めたことは一度もなかった。
シキも余程疲れていたのか、目を覚ます気配はない。

それを確認し、アキラはそっと黒髪に触れ、呟いた



「俺の本当の頼みはキスではありませんでした…。…貴方がいつまでも輝き続け、そして死ぬまで貴方の傍にいたい…」

自分より一回り大きい背中を見つめて微笑んだ。




アキラは知らなかった…
シキの狸寝入りに…

シキは声を出さずに一言だけ言った



「お前がそれを望むのなら…―――」








end


30000ヒットフリリク作品でした!
非公開希望の方からのリクエスト『ED1か2で、キス、させて欲しい…〜』でしたが、いかがでしたか?
ご期待に添えない形になってしまったのではないかとビクビクしています。
本当はキスだけで纏めようとしたのですが…無理でした(笑)
そしてやけに総帥が優しすぎるという…

残りの4作品も書いていきますので、お楽しみに!!

このリクエストをしてくださった方のみ、お持ち帰り可です!!

感想などがありましたらどうぞ!!


2010.02.06

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