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シキの中で何かが崩れる音がした。
先程結んだネクタイを解き、アキラの手を自由にしてやる。
シキはズボンに手をかけ、下着もろとも一気に剥ぎ取った。
緩い愛撫だけを受けていたアキラのそこは既に透明な液で濡れていた。
「いやらしい身体だな。」
シキはそう言った後、アキラに四つんばいになるように言った。
それに素直に従いアキラはシキの前に四つんばいになった。
シキの手がアキラの雄を握り緩急をつけて擦る。
「…っは、あっ…ん…」
身体の力が抜けて、支えている腕が震える。
「…ゃ…ぁ…放してくださ…っ…手が汚れてしまいます…」
アキラが懇願するが、シキはその手を止めようとはしなかった。
真っ暗なのでよくわからないが、嗚咽が聞こえるのでアキラが泣いていることはわかる。
「…泣くな。」
「…っ…」
シキが手を早めるとアキラの一際高い嬌声が聞こえ、シキの手を濡らした。
頭の中が真っ白になり、倦怠感からか一気に身体の力が抜けて前に突っ伏す。
休む間もなく、シキがアキラを仰向けにさせ、足を持ち上げる。
穿き出したアキラのものを手に絡め、後ろの蕾に挿し入れた。
「はっ…ん、んぅ…」
指の本数を増やされ、中を掻き回される。
「そんなに俺の指を締め付けて…」
耳元でそんなことを言われ、更に指を締め付けてしまう。
「…力を抜け」
シキも自分のものを取り出し、そして一気に突き入れる。
「あっ!!」
初めはゆっくり腰を動かしていたが、アキラが慣れてくるのを察すると、動きを加速させた。
律動とともに上がるアキラの嬌声。
それはいつもの情事の時とは違う。
「あっ…ぁ、んっ…」
「…アキラ」
「…ゃっ…、っぁ…」
「…アキラ」
シキが呼びかけてもただ嬌声を上げるだけでそれ以上の反応を見せない。
異変を感じ、シキは動くのを止めた。
「アキラ」
「…か…しい…」
「ん?」
「…身体がおかしい…変なんです…」
荒い息遣いでアキラがそう言った。
「…どうしたらいいのか…わかりませ…ん…」
アキラの腕が宙を彷徨い、シキの首にその腕を絡めた。
シキはアキラの顔を間近で見る。
アキラの目からは大粒の涙が流れていて、困ったような顔をしている。
「…ひとまず呼吸を整えろ。脳に酸素が行き渡らなくなって気を失うぞ」
シキがアキラの髪を梳くように絡め落ち着くのを待つ。
「大丈夫か?」
「…っ…はい…」
再び律動を始める。
ギリギリまで抜き、また最奥まで突き入れる。
アキラも無意識のうちに自分が感じるところに腰を動かしている。
真っ暗の空間に二人の息遣いと卑猥な水音が響く。
「…総帥…もう…」
アキラがそう言うと一気にスピードを速める。
「…っはぁああ!!」
嬌声とともに二人の腹の間にアキラは白濁を散らした。
達したときの締め付けによってシキもアキラの中に己の性を穿き出した。
互いに繋がったまま呼吸を整える。
アキラはそのまま目を瞑り眠った。
「余裕がなかったのはお前と同じだ」
シキは間近でアキラの寝顔を見ながら呟いたのだった………
***
「んっ…」
見覚えのある天井。アキラは一瞬でそこがどこだかを理解して飛び起きた。
いや、飛び起きようとした。
自分の意思とは裏腹に身体が全く言うことを聞かない。
「…っ…」
この部屋は間違いなくシキの寝室だった。
全く動けずに途方に暮れていると、タイミングよくシキが現れた。
「目が覚めたか」
「…すみません!すぐに退きますので!」
「…ほう?その身体でか?動けない奴がよくそんなことを言えたものだな。」
もっともなことを言われて何も言い返せなかった。
「あの後、すぐに救助の奴らがやってきて助かった。」
「…すぐ…ですか…」
「繋がったままでお前が猥らな姿で寝ているところもしっかりと見られたがな。」
「…っ…!!」
かぁっと顔が赤くなるアキラ。
「救助の者も目のやり場に困っていたが、お前はそのままこの部屋に運んだ。」
「……。」
「無理矢理起して風呂に入れたが…覚えてないのか?」
「…全く…」
「どうしようもない奴だな。風呂場でのことも覚えていないのか」
「??」
アキラが首をかしげた。シキはくつくつと喉の奥で笑うと「今日は一日休んでおけ」とだけ言っていなくなってしまった。
「…風呂…?」
風呂につれて行かれたアキラはそこで再びシキと交わってしまったのだ。
全く覚えのないアキラはただ首を傾げるだけだった………
「…いいものを見させてもらったな」
シキは城の中の廊下を歩きながらそう呟いたのだった………
end
次はおまけ
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