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「それで?何がしたいんだ」
「…しよ?」
「何を?」
「セックス。」
「…っ…何言って……んっ!!」
アキラの承諾を得る前に淫靡は口を塞いだ。そのまま薄く開かれた口に舌を捩込み躊躇された舌を無理矢理絡ませた。
「…っく…ん…っぁ…」
「…『こっち』の俺はキスだけでこんな顔になっちゃうんだ…へぇ…」
キスの合間、淫靡はそんなことを言った。
淫靡は器用に片手でアキラの両手首を押さえ、もう片方の手でアキラの被っていた布団を剥がした。
咥内を犯されたまま身体が急に外気に触れたため、寒さに身体を震わせた。
「…い…や…めろって…!!」
抵抗しようと足をばたつかせるが熱のせいでうまく力が入らない。
「汗かけば熱も下がるからさ!たくさん暴れればいいよ!」
そう言って右手で胸の突起をこねた。自然と声が出てしまい、ハッと口を押さえようとしたが、手を纏め上げられているためできなかった。
「…っぁ………っく…」
「自分が今どんな顔してるかわかる?すっごくエロい……」
「…ぃぅな…っ……」
どんどん中心に熱が集まるのがわかる。
アキラの変化に気がついたのか、淫靡は既に服にシミをつくり主張しているアキラの雄を布越しに撫でると、身体が弓なりにのけ反った。
「自分自身に犯されるのってどんな気分なの?」
「…ば……っか……」
自分に犯されている事自体恥ずかしくて泣きそうなのに、それを実際に口に出して言われると更に恥ずかしくなる。
「…ココ、苦しそうだね…一回イっとく?」
そう言いながら下着ごと剥ぎ取るとアキラの主張した雄を躊躇うことなく咥えた。
口と舌を巧みに使い、緩急をつけて吸われれば、生理的な涙が流れる。
「…口っ…離せって…」
「…いいよ、出して…」
引き離そうと頭を掴むが、弱いところばかりを攻められ力が入らない。
「…ゃ…だ…出るっ…出るから…っ…」
やめてくれと言わんばかりに懇願するが全く聞き入れてもらえない。それどころか、かえって淫靡の加虐心を煽る結果になる。
「……っはっ…ぁ…っ…あああ!!」
目の前が真っ白になる。
強い刺激に思考が追い付かずぼーっとしてしまう。
アキラの放ったものを見せ付けるかのように音を立てて飲み込まれれば一気に顔が赤くなった。
「…はっ……っ…飲むな…ば…かっ…」
「…やっぱり変な味。」
口から零れたアキラの精液が更に淫靡に見せた。
それを見たアキラは一瞬ドキリとした。
(俺もいつもあんな顔してるのか…)
自分がシキに同じようにしている時、こんなにも卑猥な顔をしているのだろうか…
「で?もういい?」
「…??」
「俺も限界なんだけど!」
ふと下に目をやると、何も履いていない生足に淫靡の先走りが伝っていた。
「…っ!」
「一度やってみたかったんだよね!人の身体の中ってどんなに暖かいのか知らないからさ!」
冗談じゃない!とばかりに足をばたつかせて抵抗するが、その間にも淫靡の指がアキラの蕾に挿しこまれる。
「…っあ!!ん……ふっ……」
中を慣らす用に指をバラバラと動かす。
「…も…ぃゃ…だ……っは…ぁ…」
抑えたくても抑えられない喘ぎが洩れる。
「…もう…挿れてもいいかな…。」
淫靡の声からも余裕がないのがわかる。
淫靡自身も自分が犯されている感覚に陥っていた。
少し汗ばんだ肌
興奮により上気した頬
上がる嬌声………
シキはいつもこういうふうに見ているのだ……
淫靡はアキラの足を抱えるとゆっくりと体重をかけていった。
「…あっ!!ゃ……いたい……」
「…ごめん……力抜いて……」
「…むり……」
アキラが啜り泣く様子がいたたまれなくなり、少しでも気が紛れるように淫靡が深く口付けた。
先程の精液独特の味がアキラにも伝わる。
自分の精液など口にすることなど絶対に有り得ないので変な気分だった。
「…すっごい…シキの言うとおり身体の中って暖かいんだね。」
自分をグロに感じ嫌だとばかりに首を横に振った。
そんなアキラを見て淫靡はアキラの髪を撫でた。
まるで泣きじゃくる子供をあやすかのように…
「…っ…動くよ…」
淫靡はゆっくりと腰を動かし始めてた。
先端まで引き抜かれたと思うと再び最奥まで突き立てられる。
「あぁっ…っ…んっ…」
腰の揺れに連動して喘ぎ声が漏れる。
一度萎えてしまったアキラの雄を軽く扱くと再び熱を持ち始めた。
「…ダメだよ、もっと顔を見せてくれなきゃ…」
「…ッあ…い…やだ…」
そう言って淫靡は顔を覆うアキラの手を横に除けた。
アキラは真っ赤な顔をして自分が感じていることを悟られないようにしていた。
淫靡がクスリと笑うとアキラの中のある一点を刺激した。
と同時にアキラの身体が弓なりに仰け反った。
「…自分の感じるところくらいわかってるつもりだよ。ココが好きなんだよね?」
「…っ!あは…っ…ん!」
感じるところばかりを集中的に攻め立てられ思考も恥じらいも何もかもが崩れていく。
いつのまにかアキラは淫靡の首に腕を回し、自分からもっと求めるように自ら腰を動かした。
淫靡の息遣いが荒くなるのを感じる。
アキラとは少し違った甘い声にドキリとさせられた。
「…っ…もう…」
お互いに限界がきていた。
淫靡は腰を打ち付ける速さを上げ絶頂へと導いていく。
互いの腹の間でアキラの雄が擦られ先走りが腹を伝う
「…んっ!あっ!!あああ!!!」
アキラが達し、中の締め付けによってほどなくして淫靡も達した。
暫く繋がったままで淫靡はぐったりとアキラを抱きしめた。
「っ…はぁ…はぁ…だ…いじょうぶ…?」
「…おかげさまで熱がぶり返しそう…だ…」
そう言って力なく笑う。
「俺、もう少し大人になるよ…。『こっち』の俺だって大人しくしてるのに、俺はただ構ってくれないからの理由で八つ当たりしたり……大人げないね…」
「でも…向こうに帰ったらアンタのシキにもう少し甘えてみたらどうだ?感情表現は身体だけじゃない…それだけじゃ満たされないものもたくさんあるだろ…」
「くくっ…やっぱり『こっち』の俺は大人だ。」
耳元で『ありがとう』と言うと自然と身体の重みが消えていた。
そう、淫靡は自分がいるべき場所に帰ったのだ。
「……大人に…か…」
真剣に話す淫靡な姿の自分を思い出して思わず笑ってしまった。
いつのまにか身体が楽になっていた………
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