さよなら災厄、またきて至悪6

 歯を食い縛るようにして猿の群を見つめ、ラギーは彼等の隙を覗った。
 そして、レオナの姿が猿の集団に隠される直前、彼の指先が独特の動きをするのが見えた。
「待て、待て。俺をアンタの群に加えてくれって言ってんだ」
台詞との脈絡も無く、確かにレオナの人差し指と中指は確かな意図をもって二度曲げ伸ばしされた。ラギーの位置からは一瞬だけしか確認できなかったが、意図を察するには充分だった。
 その所作は、今期の校内マジフト大会の為に作ったものの日の目を見なかった、ディスクシーフの為のハンドサインだからだ。傷害事件の主犯格として注目され過ぎたあの試合では人目を欺く真似など碌にできなかったが、気配を消して忍び寄る事も目当ての物を掏り取って逃げる事も、入部以来何千何百回と練習した行動だ。その感覚を信じて動けと、レオナは告げたかったのだろう。
 結果、ラギーの腹が据わった。


「グリムくんは、監督生くんを回収したら全力で外まで飛んで。フォローはこっちでするから、兎に角全速力!」
ラギーはグリムの飛行術の手腕を鑑みて、要求を極力少なく纏めた。最初は漠然と飛行技術の優れているラギーが監督生を運んだ方が効率的かと考えていたが、具体的に遁走について想定できる材料を揃えた今、お守りを必要とする必要な人員を分散するのは悪手だと考え直したのだ。
 ラギーはグリムに箒の準備をさせると、マジカルペンを口に咥えて両手を空けた。片脚を交互に後ろに下げて、アキレス腱をうんと伸ばす。
 異界にして邪教による妄念の集積という非日常下において、失敗の先に何があるとも知れない不安の中において、日常茶飯と同じ心地で腹を括れたのである。


 ラギーの呼吸が平時と同様に整った頃、レオナは猿の団子の中でコミカルにすら聞こえる程大仰な悲鳴を上げた。そして、ここぞとばかりに声を張り上げる。
「手土産がある! 赤い花を探してるんだろう。俺が知ってる」
狂騒が嘘のように、遺跡の中が静まった。とうとう、猿の王の意識がレオナに向いた。
『赤い花を? 四つ指が?』
半信半疑の声音だが、猿の王の意識は完全にレオナに向いていた。
「四つ指――獣人でも、だ」

 周囲の猿は、熱狂に沸き始める。
『寄越せ』
『早く寄越せっ』
『赤い花を寄越せっ』
『寄越せ』
『赤い花っ』
『寄越せ!』
『寄越せ』
『赤い花ッ』
ついに猿の王は身を乗り出し、監督生の頭上に置いていた手を離した。

 その瞬間を狙って、ラギーは監督生を攫った。後ろから抱き込むようにして口にハンカチを当てて声を塞ぎ、手早く後退させていく。完全に児誘拐の作法であったが、監督生は抵抗らしい抵抗も無く無気力にラギーに引き摺られた。ユニーク魔法がかけられたならもっと楽に動かせただろうなどと、考えが過る程の重さも無かった。


 漸くグリムが監督生を箒に括りつけ終えた時だった。監督生の逃亡に気付いた一匹の猿が、鋭く鳴いた。
 猿が一斉に振り向く。
 数多の獣の眼が監督生を注視し、そしてラギーとグリムを認識した。最早こうなっては、彼等を覆う認識阻害魔法は無力だ。
「感動の再会は後! 飛ぶッスよ!」
ラギーは箒に跨ったまま、グリムと監督生の乗る箒を蹴った。ラギーの足裏に押し出され、グリムの箒が急浮上かつ急発進する。
 マジフト部員達の走行を見慣れているラギーにはグリムの走行は恐ろしく稚拙であったが、幸いにも速度は申し分無い。数では劣るが、箒に乗ってしまえば機動力は完全に少年達に分があった。
『誰も逃がすな!』
猿の王が声を荒げる。低い声が遺跡を揺らして、グリムの尾が瓶洗いブラシのように膨れ上がった。

 風圧と恐怖に負けて眼を固く瞑ってしまっているグリムだが、ラギーの言う通り全速力を維持していた。スピードの余り、数匹の猿を轢いていく。速度を落とさない事に意識を割き過ぎて、敵を避けたり安全な走行に気を配ったりする余裕が無いのだ。樹や壁を伝って箒に飛び乗ろうと襲い来る猿達の姿も気付くことなく、只管に真っすぐ突っ走った。瓦礫が霰のように降り注ぎ、グリムと監督生の膚を切っていく。それでも、ラギーがフォローすると言ったから、グリムにはそれを信じて突っ込むしかないのだ。
「そう! そのまま真っすぐ!」
天井伝いに滑空してきた猿を魔法で撃ち落としたラギーが、グリムの通路を作る。グリムは自棄糞気味に叫んで、更に加速して屋外目指して直進した。
 猿の王は立ち上がって、長い腕をグリムと監督生に伸ばした。
「グゥ、クソッ、オレの魔力じゃ弱すぎる!」
ラギーはユニーク魔法で猿の王の動きを止めようとしたが、やはり規格外の巨体は彼の手に余る。どうにか伸ばされた腕の軌道を逸らすのがやっとだった。空振った猿の王の手は折れた柱の残骸に当たったが、当の猿の王は怯みすらしなかった。寧ろ、柱の方に新たな罅を作っている程だ。規格外なのは大きさと陰湿さだけではないらしい。頑健さも、並みの獣人を遥かに越えている。

 猿の王の眼中から外れたレオナが、鋭くペンを振り抜く。
「ほらよ! お望みの、赤い花をくれてやる!!」
咆哮じみた啖呵と共に、ファイアショットが炸裂した。再びグリム達に手を伸ばした猿の王の横面に、二連撃の炎が直撃した。野太い猿叫があがって、遺跡が揺れる。
『あづっ、あづいいぃっ! 花が! 花が!!』
体毛を燃やし皮膚を焼いた炎を、猿の王は大きな掌で叩いて掻き消す。怒りと痛みで血走った眼が、レオナを睨めつける。火傷を負った猿の王の顔は、正しく怪物だった。しかし、その瞳には激しい狼狽と怯えが同居している。
『違う、こんな物は、こんなものの筈は……!』
猿の王は恐慌を隠すように拳を握り、レオナに向けて振り下ろす。巨大な身体に見合う、小岩のような拳だった。獣人の腕力と長い腕による遠心力を伴う殴打は、風を切り裂く鋭い音をさせている。レオナはそれを特に避ける事もなく、猿の王を睥睨していた。
 痛みと動揺で隙ができた猿の王の身体を、ラギーがユニーク魔法で片脚の自由を奪い、重心をずらしたからだ。空ぶった巨体は大きくバランスを崩して踏鞴を踏んだ。巨体の全身を操るのは難しいが、お膳立てがあれば何のその。フェアプレー賞を他校に譲り続けた男達は、こういう時の連携ほど研鑽を積んでいる。
 猿の王が体勢を立て直す前にレオナがユニーク魔法によって足場を砂に変えれば、階下へ落ちんとする砂が蟻地獄のように猿の王の片脚を掴んで離さない。
 猿の王は自身の腕に振り回されるように大きく姿勢を崩し、巨体ごと柱に突っ込んだ。


 柱が圧し折れて、天井が降ってくる。降り注ぐ瓦礫の中、レオナはラギーの箒に飛び乗って遺跡を脱した。

 「じゃ、見送りは結構! さようなら!」


 ラギーとレオナは、崩れゆく遺跡に中指を立ててからグリムの箒を追った。
 ふとラギーが後ろを振り返ると、倒壊した筈の遺跡は元の崩れかけに戻っていた。瓦礫に巻き込まれた猿達も、何事もなかったかのように遺跡の外壁を登っている。青史に焼き付いた影、という言葉がラギーに頭に過る。数多の人々の無意識に巣食う邪教の影響がある限り、掟の密林は少年達の奮闘程度では決して滅びはしないのだ。
「……監督生くん、ちゃんと戻るんスかね?」
「さあな。俺達はやれる事をやった」

 手鏡越しにマレウスに目的達成と報告すれば、オンボロ寮で待機している男達の歓声が沸いた。
『此方も星見台に居た監督生を確保した』
マレウスの応答は、協調性のない男達の雑多なノイズで遠かった。星見台に行こうとしていた一年生達も全員確保されたようで、オンボロ寮は出発前より人で賑わっている。
 これの何処が誰にも顧みられない者か。

 帯びた光を放って、オンボロ寮と異界の四人を繋ぐ。
 願わくば、もう二度と知り合いが猿の王や赤い花と関わり合いにならないように。そう思いながら、少年たちは鏡に引き込まれ、現の世へと帰還した。


.


 「真っ赤な薔薇の花が欲しかったんです」


 監督生が保護されてから一夜明け、件のスレッドが完全に削除されてから半日。開示された邪教等の暗澹とした情報は一部の学生の胸の内にのみに留められた今、学園は通常時と同じように授業が続けられている。ただ一室、監督生を養生させる保健室を残して。
 ベッドで天井を見つめる監督生の肉体は窶れてはいるが、眼は意思を取り戻し、発話も流暢だ。荒れ放題の髪も洗われた後で、保護された直後より余程衛生的かつ健康的と言えそうだった。けれど、その表情は明るくはない。学園の人々にかけた心配と迷惑の大きさを、重々受け止めている顔つきだった。

 監督生は保健室のベッドに横たわったまま、独り内省する。
 早朝には意識が回復した彼女は、意志相通が可能になったと分かるや、自身が異常な行動をしていた際の記録を見せられたりグリムに退校について問われたりと何かと忙しなかった。落ち着けたのは、授業が始まって見舞い客が来れなくなった後だった。静かになれば今での疲弊がどっと押し寄せてくる感覚に飲まれて、二度目の眠りに就いた。そして今、昼休みの喧騒で起きて、自身の身に起きた事を振り返って、漸く言語化できるようになったのだった。

 
 監督生には、猿の王に憑かれた時の意識が朧気にあり、救助に来た三人の事も記憶にあった。そして、件の症候群の発端となったのは確かに赤い花だったと、彼女は確かに覚えていた。
「この学園を去るべきだと分かった時、あの赤い花を持っていこうと思ったんです」


 監督生のベッドのすぐ横に設置されたパイプ椅子には、レオナが脚を組んで目を閉じている。
 レオナいわく、授業後の時間まで此処で昼寝して過ごすと決めているらしい。尤も、専ら植物園で寝そべっているレオナが、わざわざ療養中の生徒が居る保健室の硬い椅子で寝るのは、誰が見ようと不自然だ。現に、レオナの獅子特有の耳は監督生の声がする度に動いていた。
 しかし、あくまで彼は寝ている。監督生とレオナの間では、そういう事になっていた。
 故に、これは監督生の独白だ。

 レオナには監督生の懺悔に相槌を打つ義理はなく、監督生もレオナに気遣って理性的に順序立てて話す義務もない。整合性の怪しい、逢着点も定まらない、主観しかない吐露だった。
「学園で過ごした記憶が頭の中を駆け巡って、ああ、お茶会、楽しかったなあって。そう思ったからですかね。薔薇を真赤に塗る魔法に、初めて魔法を奇麗で楽しいものだと認められた気がして」
監督生はこの学園に入学したばかりの頃を思い出して、瞼に薔薇の咲き誇るハーツラビュルの庭を描いていた。この世界でグリム以外の友と呼べる関係を得て、初めて頼りにできる上級生ができたのもあの庭だった。強力な魔法を使う暴君と呼ばれる少年とて、苦悩と失敗を重ねていきていく人間なのだと知ったのもこの庭だった。
「それまで魔法なんて、燃やして、壊して、脅かして、傷付ける、そういう恐ろしいものだったのに。そういうおっかない力を使う人達と友達になって、和解の為にパーティを開く準備をして。ああ、こうやって魔法は使われるんだって、この世界に漸く納得して……この学園に居場所を作る覚悟がやっとできて……」

 監督生の言葉が途切れる。
 彼女は徐に上体を起こして、枕元に置いてあった本を手に取った。薔薇のエンボス加工で飾られた表紙が美しく、静養中に読むに相応しい厚みのある本だった。しかし監督生は、本文には一切の眼もくれず、その本に挟んでいた栞を手に取った。画用紙に白い薔薇の押し花が張り付けている栞は、明らかに素人の手作りだ。
「ハーツラビュルの庭で、薔薇を摘みました。思い出が欲しかったから。希望の証だったから。また素敵な出会いがあるって、信じられる気がして」
監督生の指先が、水分を失って色褪せた薔薇をなぞる。白というにはくすみ過ぎた花は、監督生の紡ぐ夢見がちな言葉を負うには不適格な哀愁しかなかった。
「馬鹿な事をしました。盗んだものは返さなくてはならないって、彼等の法律もすっかり頭から抜けてて。かけられた魔法はいつか解けてしまうことも、まるで忘れていたんです」
赤い薔薇は魔法が解けて白く、そして白に戻った薔薇は生気を失ってくすんでいく。その無常は、弱り目の監督生の眼には酷く残酷に映ったようだった。



 監督生は、再び仰向けに寝そべった。表面張力の限界を超えようとしていた涙を溢してしまうのを防ぐには、そうする他になかったからだ。
 泣いたところで横に控えた男は揶揄の一つもしないだろうが、これ以上の無様を許すのは監督生自身が許さなかったのだ。罷り間違って慰められようものなら、二度と立ち上がれなくなる予感があった。

 監督生の小ぶりな鼻が湿っぽい音で鳴るのを、レオナ足を組んだまま聞いていた。依然として耳以外は微動だにせず、沈黙を守っている。
 ここで腐りかけているのがサバナクローよくいる気の荒い学生なら、カレッジの入学条件を必要最低限度に満たす程度の優秀さがある男なら、レオナは尻でも蹴り上げて気合をいれてやっている。しかし、相手は魔法もない、世間知らずの、常に目先の事で手いっぱいだった小娘だ。流石に甘えるなと一喝してやるような非情さは持てず、草原の獅子の血を引く男として心身共に手負いの子供を一人にしておく事もできず、さりとて気休めでしかないような柔い言葉で励ますのが逆効果だと分からない程の愚鈍さもなく、瞼の裏の暗闇をただ見つめるだけの時間を過ごしていた。
 できるのは、ここをレオナの一時的なテリトリーとすることで心無い第三者の闖入を防ぐこと程度だ。後はラバーダッキング法に用いるゴム製のアヒルと何ら変わらない。

 そも、レオナには、こういう時の道徳的な対応が分からない。自身にそんなものに救われた経験が無く、カレッジにおいて殆ど無価値だからだ。
 レオナは、針の筵の王宮から実力主義のサバナクローに身を置くことで居場所を作った側である。やっと作った居場所の尊さと手放し難さも知っているが、だからこそ同年の物より一年多くその安寧を享受することが許されているレオナがかけるべき言葉も無かった。


 けれどレオナは、監督生がやっとできたあの居場所を守るのにどれだけ必死であったかを知っている。

 例えばサバナクローが寮ぐるみで傷害事件を起こしていた時。
 彼女は生活を守る為にその調査と解決に奔走していた。壊して脅かして傷付ける為に魔法を使う寮生達の巣窟に、未熟な魔法しか使えない魔獣と一緒に乗り込んでは生傷を作りながらも泥臭く食い下がってきた。レオナのオーバーブロットに巻き込まれて心身共に披露した後も、友人とグリムに合わせてエキシビションマッチに立った。決して運動神経が良いとは言えない女の身体で、地を這うしかない非魔法士の身とくれば、全校生徒の晒し者になるどころか怪我は必然だろうに。男子校で居場所を作る為には必要な蛮勇だと割り切った顔でフィールドに立たれては、レオナにできる事はさっさと退場させてやることだけだった。

 殊に、アズールとの契約でオンボロ寮を担保に取られた時は、レオナにとっても最悪だった。
 オンボロ寮の二人がレオナの部屋で寝泊まりする事自体も鬱陶しくはあったが、一等の問題はその夜だ。協力しなければ騒ぎ続けると、彼等は恥も外聞も無い交渉に踏み切った。その実、ふざけた交渉手段は、苛立ったサバナクロー生の暴力を誘発させて「二度も傷害事件を起こした」事にして強請る為の布石であった。自身が酷い怪我をしたとしてもサバナクローを味方につけた方が勝算はあると踏んだ上での行為だろうが、監督生が女であると知るレオナは、流石に頭を抱えたかった。だからレオナは、彼女をさっさと追い出すべきだと急いたのだ。しかし彼女はよりにもよって、レオナが手首を掴んだタイミングに合わせて思い切り身体を引いた。逃げる意図ではない不自然な身の捻り方に、レオナと極一部だけが気付いていた。一部の生徒が彼女を「イカレ女」と呼ぶのも分かる。彼女は自ら腕を折ったのだ。
 レオナ自身がそこまで腕を強く掴んだ覚えもない事や魔法で骨を接いだ時の違和感からして、厳密には予め鎮痛剤を服用した上で万力か何かで折っていた腕を掴ませたのだろうが、自らの腕を壊す行為への躊躇の無さも、直前まで故障を悟らせない演技も、恐ろしいほど振り切れていた。アドレナリン過多で開いた瞳孔の中に、レオナは後の無い人間の狂気を見た。人体として不適切な方向に曲がった腕をぶら下げ、興奮に荒くなった息を短く吐く彼女は、悪夢そのものの様相だった。

 身分証明もできない、親もなく家もなく、この世界の何も知らない。その上金も無い。そんな状態の彼女に許されているのは、あの廃墟じみた寮だけだった。
 少ない友人と唯一の居場所を手放すまいという思いもあろうが、何よりあの廃墟じみた寮を追い出されては生きるための場所すら失ってしまう事を彼女はよく理解していたのだ。生きるか死ぬかが懸かっているなら、腕の一本や二本は安かろう。
 彼女はあの寮を、そうしてまで守るべきものだと思っていたのだ。
 そんな寮を出て新たに居場所を作れと告げられるのは、絶望に等しかろう。

 今は多少この世界について知り、入学直後と比べれば随分と要領も良くなったかもしれないが、彼女はまだ齢十六の世間知らずだ。また新たに居場所を作る為に同じような艱難辛苦に身を投じなくてはならないと考えが及んだ時、己の無力と向き合い、迫る孤独に耐えるだけの心が用意できる筈もなかった。

 馬鹿な事をしたと、監督生が繰り返す。懺悔というよりは自嘲だった。
「私の居場所。もう一度、私の居場所を作らなきゃって。気ばかり焦って、怖くて……情けなくて嫌んなる……」
その脆くなった心が、猿の王を呼んでしまった。猿の王が遺跡で言っていたような新しい仲間と居場所の存在は、彼女にとって切実に欲しかったものだ。そして、赤い花に希望を抱く心が共鳴したら最後、甘いだけで実体の無い狂気に囚われた。
 支配を受けて寝食が許されることを居場所と呼ぶなど、欺瞞でしかないのに。居場所などという精神的な承認に依るものは、積み重ねた時間と行動で示した実績しか作れないというのに。彼女は既にそれに気づいたからこそ、己の迂闊さが嫌で堪らないのだ。
「赤い花があれば、なんて。きっと、そんな都合の良いこと、ある筈がないのに」

 都合の良い夢は、疑うべきものだった。
 誰に縋ろうと、自分の脚で歩まねばならなかった。
 誰にも顧みられないだなんて、自己憐憫にも程がある。
 矜持を捨ててはいけなかった。
 他に何もないからこそ、誰より正しさと気丈さを手放してはいけなかった。

 この学園で培った訓戒を捨てて安直な誘惑に飛びついた事が、監督生にとっては何より恥ずかしかった。
 何かと酷い目に遭いながらも、彼女は存外この学園が好きだったから。


 授業の終了と放課後の始まりを告げる鐘が鳴ったのは、保健室が懺悔室に変わって暫くした後だった。
 いの一番に廊下を駆けてきたグリムが、保健室の戸を開けて入ってくる。彼の短い腕には見舞いの花ではなく、厚い教科書と付箋だらけのノートが抱えられていた。

 レオナの存在に一瞥もくれずベッドに飛び乗るや、グリムは開口一番に告げた。
「見ろ子分、オレ様の手にかかりゃ、一人だって勉強くらいチョチョイのチョイなんだゾ」
だから心配には及ばないと。監督生と離れる事に恐れはないと。監督生が彼女自身の進路の為に学園を発たざるを得ないことについて、グリムは彼なりに考えて、不安と後ろめたさを潰す答えを用意してきたのだ。

 付箋だらけのノートは、グリム以外にも様々な生徒の筆跡があった。例えば、魔法薬の材料について、グリムの書き損じを訂正する赤インクはエース。次回の授業で質問すべき要点を箇条書きにした筆跡はデュースとカリム。ついでに、現時点で分かる疑問点にはジャミルが回答を書き込んでおり、「ご相談は対価次第で」と言葉を添えてモストロ・ラウンジのカードを挟んだのは明らかにアズールだ。錬金術の実技について所感を綴った神経質な字はリドル、流麗な筆記体はヴィル。端に落書きを添えたのはフロイドとジェイド。参考文献を共有するメモをしたのはジャックとセベク。端に精巧な作画のパラパラ漫画を作ったのはオルトとイデア。
 ところどころ役に立つか分からない添え書きも多いが、兎角それ等はグリムと並んで授業を受けてくれる人々の存在を色濃く表していた。どれもグリムと監督生の共通の知人であり、彼等の人脈の広さを証明するものであった。友好や協調を知らない学園の気風において、異質な程である。それは監督生とグリムが歩んだ問題だらけの学園生活の軌跡であり、彼女が彼に残してやれるものの内、最も上等な財産だった。

 監督生はノートを捲る手を止めて、グリムの灰色の毛並みを撫でた。
「なんだか益々、この学園から離れがたくなっちゃったじゃない」
緊張が解れた、柔らかい声だった。
「ン。じゃあ、ずっとオレ様と居たらいいんだゾ。大魔法士になるんだから、子分を養うくらいワケねーんだゾ」
「じゃ、イザって時はそうしましょう」
レオナは閉ざしていた眼を開けて二人を見遣ったが、また直ぐに瞼を下した。手負いの彼女を見張っておく必要が薄れたと気付いて、本当に眠気がきたからだ。

 いざという時に頼れる相手が多ければ多い程、自立は近づくものだと監督生は知っている。
 だから彼女はグリムに学友が多くいる事に心底安堵した。そして、自身こそ学園の外の知人を作らねばならないのだと、覚悟するに至れたのだった。


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監督生を回顧するスレ No.12

1 ななしの不屈

退校した監督生を偲ぶスレ

・監督生って何?
 魔力も無く、魔法も使えない上、身寄りも無いカースト底辺属性役満な元オンボロ寮生
 最近、男装の麗人だった事が判明した。異世界出身説あり。
 転校手続きが完了。←new!

・このスレって何?
 監督生との思い出や、監督生の現状を報告するスレ
 ネガキャンとアンチはこっち→https://xxx.nrc……
 監督生(異世界人説)の考察はこっち→https://xxx.nrc……
 魔獣の生態観察と考察はこっち→https://xxx.nrc……

 次スレ>>950


2 ななしの勤勉
【朗報】監督生新生活応援募金を盗んだ犯人が発覚

経緯
・監督生の休学直後、中庭に「監督生新生活応援募金」が設置
・設置5日後、募金箱が忽然と消え、盗難が発覚
・本日、ミステリー・ショップで偽札を使用したバカが現行犯でサムに捕まる
・サムの尋問で偽札の出所が募金箱の金である事が判明
・バカの寮室で募金箱を確認。
・募金箱の中身が八割偽札であることが発覚←イマココ

3 ななしの厳格
どっちかっつーと悲報なんだよな……


4 ななしの熟慮
なんで偽札偽造技術が気軽に使われてんだよ


5 ななしの不屈
ま、ナイカレでマトモに募金が集まると思ってる方がお花畑よ


6 ななしの高尚
ほんそれ
学園長は生徒に優しさに夢見すぎ


7 ななしの奮励
募金箱を設置したの学園長なん?


8 ななしの勤勉
他にそんなんやる奴おりゅ??


9 ななしの慈悲
いや、学園長つか教員が募金箱の設置したって話は無かった筈。
生徒の個人企画じゃね?


10 ななしの慈悲
オレも思い出したわ。
そんで支配人が「誰もやらないようなので僕達が始めましょう」ってレジ横に募金箱付けてたんだった。
なお本命はワンオーダー毎に1マドル寄付という名目でのミスドリ値上げ


11 ななしの勤勉
タコちゃん…
猫被るならもっと上手く猫被って


12 ななしの奮励
で、モストロの募金箱は?
やっぱ偽札詰まってるん?


13 ななし慈悲
募金箱は今、不要レシート入れとして活用されています。


14 ななしの熟慮
ダハハって声出ちゃった。
支配人の失敗談好きだから。


15 ななしの慈悲
【朗報】ミスドリ売上げ5%増!


16 ななしの不屈
は?


17 ななしの熟慮
早く悲報にしてくれ


18 ななしの慈悲
というか、誰が設置したにせよNRCで金の入った箱を他人が簡単に取れるようにするとは思えないし、最初から偽札使用バカが使い込むつもりで募金箱設置したんと違う?
募金箱設置者が不明ってそういう事もなくでしょ。


19 ななしの不屈
それはそう
本当に疚しくないなら、設置者と賛同者の名前を明らかにした方が抑止力になるもんな
寮長主催の募金をガメる勇気あるやつとかそうそう居ないっしょ。


20 ななしの熟慮
ほーん。
募金箱に吸い寄せられた寮長を全力で止めてた副寮長gjだった訳か


21 ななしの高尚
ところで誰も>>1 に追加された転校手続きの完了にツッコまんの?
転校出来たん?


22 ななしの勤勉
情弱乙
監督生のマジカメに新しい制服着た姿載ってたぞ


23 ななしの奮励
なかなか可愛いよな。清楚って感じ。


24 ななしの厳格
監督生だぞ正気か?と思ったけど、やっぱ可愛いよな?


25 ななしの勤勉
やっぱ皆そう思ってんだ
俺も中身はあの監督生って自分に言い聞かせてるところ


26 ななしの不屈
いや本当に。あの暴れ箒でニケツさせられてグラウンドでゲロゲロ吐いてた監督生と同一人物とは思えねえ……


27 ななしの慈悲
何してんだ。止めて差し上げろ


28 ななしの奮励
監督生、大食堂でも吐いてなかった?


29 ななしの厳格
嫌がらせの魔法が効きすぎてカルボナーラ全部戻してた時あったな


30 ななしの慈悲
キノコリゾットに何故か魔力耐性無いと健康被害出るキノコが混入してた時もね…
何だったんだろうねアレは


31 ななしの奮励
カボチャのポタージュに魔法薬の失敗作仕込まれて口から蛞蝓が出まくった時なら知ってるが


32 ななしの不屈
DXメンチの争奪戦に巻き込まれてボクシング愛好会のフックが脇腹に入った時もな。


33 ななしの熟慮
監督生の嘔吐に心当たり多すぎん?
トイレまで我慢しろよ


34 ななしの勤勉
ほい。監督生のゲロ歴史な

オンボロ寮生監視スレpart2
https://xxx.nrc……
オンボロ寮アンチスレpart54
https://xxx.nrc……
監督生アンチスレpart21
https://xxx.nrc……


35 ななしの勤勉
懐かしい。
今じゃアンチスレは両方とも3桁台だもんな。


36 ななしの不屈
女の子にそんなんしてギャハギャハ笑ってたと思うと死にたくなってくるな……


37 ななしの熟慮
これ、監督生死んだ時とかに警察に見られたら、NRC生は弁解の余地無く社会的に死ぬんじゃね


38 ななしの勤勉
そうなるから校内限定なんだわ…
麻痺してっけど、学外から閲覧出来たら一発アウトだから


39 ななしの厳格
そもそも手違い入学からの送還不能もアウトだし、魔獣の入学もスキャンダルだが?


40 ななしの熟慮
NRCは隠蔽体質だから平気平気。
ちょっと前なら身寄りナシ戸籍ナシだから警察も動かんしセーフ!

て思ってたのに、寂しくなるな……


41 ななしの高尚
寂しくなるポイントおかしくないか?
サイコの方?


42 ななしの厳格
実際、転校手続き出来たって事は、身分を証明する手立てができたって事でしょ?
もう身分不詳に付け込まれる事もなくなったと考えると、めでたしめでたしじゃん。


43 ななしの勤勉
そうかも。
ところであの制服、坩堝の国のヘンリー川通り女子学院のヤツだけど、監督生って女子校でやってけると思う?


44 ななしの熟慮
女子学院のHP調べたけど、実質は養護院なのな。
全寮制で住む場所は困らんし、あの超絶世間知らずが生活面から常識を教えてもうらうにはピッタリかもだ。

って思ったけど、校風メッチャ貞淑じゃない?
運動部とかほぼ無いっつーか活動記録が分かる部活動はほぼ室内部だし、刺繍と絵画と花嫁修業って感じ……
こんなん元男子校暮らしのゲロ女には無理でしょ


45 ななしの奮励
監督生は裁縫得意だぞ。制服の裾も自分で合わせてたし、寮のカーテンはほぼアイツが自分で繕ったって言ってたし。
まあ、女子校より女子刑務所のが適正あるのは分かる。


46 ななしの不屈
アイツにちょっかいかけてキンタマ蹴られたことある。女子校だと何処蹴るんかな……


47 ななしの慈悲
ところがどっこい、アイツ学外の女性客には贔屓にされてんだわ


48 ななしの慈悲
美形どもは言わずもがなだけど、可愛い系で礼儀正しい振る舞いできるヤツって女性客に一定の需要ある
つか、監督生がラウンジ抜けた穴が未だに痛いんだが


49 ななしの勤勉
え、百合の予感!? バッ


50 ななしの勤勉
アップを始めるな百合厨。服を着ろ。
ところで監督生は「おねえさま」の方だと思います。


51 ななしの不屈
うせやろ……アイツ、ウチのラーテルと191センチの方のウツボが殴り合ってた時、ウツボの勝ちに全賭けして最前列で野次飛ばしてたぜ……? 耽美から最も遠い生命体だろ。

ところで「おねえさま」について詳しく


51 ななしの勤勉
ナマモノはやめとけ。バレた時に地獄を見るぞ。ヴィルネジュ書いてたのが映研にバレて死に目を見た俺が言うんだから間違いない。


52 ななしの勤勉
あーあ。あれほど手書きの文字は入れるなって言ったのに。
ボクは「提出されたレポートの文字と照合したところ、筆跡が99.98%一致するよ!」とか言われて死んだ。


53 ななしの勤勉
我が寮ながら納得のイカレハイド

>>52 成仏してくれメンス


54 ななしの奮励
何の話してるのか知らんけど、スレチは他所でやってもろて
nmmn同人バレ報告スレpart2
https://xxx.nrc……


55 ななしの厳格
いや、何のことか分かり過ぎてるでしょ


56 ななしの高尚
過疎


57 ななしの熟慮
もしかして皆ナマモノ同人スレに居る? と思って覗いてみたけどそんな事はなかった。
ただただ地獄を見た。アズマレ触手姦とか知りたくなかった。


58 ななしの厳格
イカレハイド生まさか全員しんだ? 不敬罪で?


59 ななしの奮励
更新おっそ


60 ななしの厳格
法律999条:オタクハイドIDが10秒以内にスレを返さなかった場合、死んでいると見做してよい


60 ななしの不屈
監督生を偲びにきたのに、なんかよくわからん話してる。


61ななしの勤勉
>>58 生きてるよ。ボクはちょっと弱みを握られてケツ毛までむしられたけど。


62 ななしの厳格
監督生、マジカメの更新が完全になくなったな


63 ななしの慈悲
というか監督生のパケ代って学園長持ちだったよな。今どうなんだろ?
スマホ変えた時にアカウント引き継ぎ損ねたとか?


64 ななしの慈悲
へんじがない ただのしかばねのようだ


65 ななしの慈悲
いや、過疎


66 ななしの厳格
監督生と連絡取れたヤツ居る?


67 ななしの不屈
なんか教室ザワザワしてて嫌な予感したからスレに来た。


68 ななしの奮励
坩堝の国のヘンリー川通り女子学院が焼失した件について何か知ってるヤツいないの?


69 ななしの熟慮
本当だ。航空図みたら焼失(物理)してた。
サイレント廃校しとる。


70 ななしの高尚
ムシュー・疫病神ェ……


71 ななしの勤勉
情弱ども〜! 監督生を見つけましてよ!!
おらよ!

珍体験を語るスレ
https://xxx.twst……


72 ななしの不屈
でかしたイカレハイド!!
フツー学外のスレとかチェックせんので助かりましてよ!


73 ななしの厳格
でかしたオタクハイド!! ……え?


74 ななしの慈悲
待って??


75 ななしの奮励
待って、情報量が多い。は? え???


76 ななしの高尚
アドレス開けんので誰か


77 ななしの勤勉
あれ? マジで開けん。つかスレ削除されたな。隠蔽か?


78 ななしの厳格
は? 何も把握してない。
スレ確認したヤツ、誰か。


79 ななしの勤勉
簡単に言うと
監督生が「転校した学校が人身売買施設だったけど質問ある?」してた


80 ななしの熟慮
お、監督生って生きてたのか!?


81 ななしの慈悲
もっと驚く所あるでしょ!???


82 ななしの不屈
正直、監督生が生きてることは驚くポイントじゃない。
死ぬほど生き汚ぇぞアイツ


83 ななしの勤勉
元のスレからコピペしたヤツ貼ってくわ。

 33 人目のアリス
 転校した寄宿学校が人身売買施設だったけど質問ある?

 34 人目のアリス
 そこって坩堝の国M島の「H通り女子学院」?

 35 人目のアリス
 特定されるの早くないですか?
 多分思ってるヤツで合ってます。

 36 人目のアリス
 サイレント廃校してたから何かウラがあると思って


84 ななしの厳格
マジで一字一句違わず質問ある?してるじゃん。冷静かよ。
コッチは混乱で質問どころじゃないんだよ。

Q. 無事ですか?


85 ななしの熟慮
Q. どうやって逃げたんですか?


86 ななしの高尚
Q. 今どこですか?


87 ななしの不屈
>>86 ここで聞いてもしょうがなくね?


88 ななしの勤勉
>>84 スレでの受け答え見た感じ無事っぽい。

以下、珍体験を語るスレ閲覧勢がダイジェストを貼るコーナー↓


89 ななしの勤勉
じゃ監督生確定演出の瞬間貼っとく

 37 人目のアリス
 H通り女子学院て実質的には孤児院じゃなかった?
 里親とか養子縁組のこと人身売買って言ってる?

 38 人目のアリス
 いえ、言葉通り人身売買でした。
 まあ引き取られて学院を去る娘もありましたけども

 39 人目のアリス
 保護者不在の少女、人身売買、ウーン……

 40 人目のアリス
 何一つ迷いのないウーンやめて
 具合悪くなってきた

 41 人目のアリス
 >>33 君は今どうしてんの?
 あとコテハン付けてね

 42 オンボロ
 >>41 これでいいですか?
 今は逃げ伸びてネカフェにいます
 保護者に連絡を取ったので、迎えがくるまで時間を潰そうと思って

ちなみに、迎えが来ない場合はネカフェでの無銭飲食も確定して更にヤバくなるそうです。


90 ななしの慈悲
こんなに嬉しくない確定演出ある?


91 ななしの厳格
え? オレ達は連絡もらってないですけど??


92 ななしの奮励
おや、保護者気どりが湧いているようだね。
ところで、監督生はポムフィオーレの寮服で生活していた頃があったんだが、我々も連絡をもらっていて然るべきじゃあないのかい?


93 ななしの厳格
マジな話、監督生の言う保護者って誰だったの?


94 ななしの奮励
保護者のくだりね、貼れるよ! 崇め奉ってね!

 102 オンボロ
 あ、私は無事です。
 出火した時は、地下の懲罰房に入っていたので。
 寧ろ、上階が殆ど燃えたお陰で早く脱獄できました。

 >>100 100オメです〜(*゚▽゚)ノ

 103 ネクラ侍
 念のため聞くけど、君の保護者って?
 犬も猫も鹿もコッチに居るけど

 104 人目のアリス
 は? 何かの隠語だった?

 105 オンボロ
 >>103 全員連絡済みです。あと烏とゴーストも。


95 ななしの勤勉
いや寮長シレッとおる。知ってたならちゃんと言って。


96 ネクラ侍
どのツラで後輩が人身売買されかけてた話すればいい?


97 ななしの熟慮
このスレ全員が被弾する指摘はやめてもろて


99 ななしの勤勉
寮長キタ───(゚∀゚)───!!!


100 ななしの厳格
勤勉寮、どのスレでも寮長大好きっ子が湧くな。
なお現実では目も合わせられない模様

あ、100ゲト


101 ななしの奮励
>>100 100オメです〜(*゚▽゚)ノ


102 ななしの不屈
>>100 100オメです〜(*゚▽゚)ノ

いやマジで監督生の冷静さ何?
出火した時って何?
地下の懲罰房に入ってたって何で?


103 ななしの勤勉
そもそも女学院に懲罰房ってある?


104 ななしの不屈
へえ、NRC以外にもデイヴィスルーム存在するんだ


105 ななしの慈悲
懲罰房をデイヴィスルームって言うのやめな
あれは拷問部屋だから


106 ななしの厳格
優等生だからクルーウェル先生の部屋がそんな風に言われてるって知らなかった。
犬空間とか奴隷調教ハウスって呼んでた。


107 ななしの勤勉
 55 オンボロ
 >>43 脱走の経緯について
 正確には、脱走したのは私じゃなくて友達です。
 私が騒ぎを起こしてる間に、友達が学院を飛び出しました。
 執行官が買収されてない地域まで逃げてタレ込んでくれたようです。
 >>45 学院のおかしさに気付いたタイミング
 転校初日です。
 上級生に「新参者は裸踊りをしろ」と言われて、大奥かな?と思って。
 まあ、元々居た学園に比べれば、女生徒なんて可愛いものですけど。
 >>46 処女失った?
 キッッッッショ。死になさい。

>>元々居た学園(NRC)に比べれば、女生徒なんて可愛いものですけど<<


108 ななしの厳格
当然のように執行官が買収されてたの、もう地域ぐるみでダメじゃん。
そりゃそうかって気持ちと社会への不信感でムシャクシャする。

八つ当たりに魔法執行官を志望してる後輩にこのスレ見せて泣かせてきた。


109 ななしの奮励
あっぶね、オレも監督生が処女か聞くところだった
……で、処女なの?


110 ななしの不屈
キッッッッショ。死になさい。


111 ななしの慈悲
キッッッッショ。死になさい。
オマエにはデリカシーってものが無いんですか?


112 ななしの厳格
キッッッッショ。死になさい。
その前に男子校にいた女だぞ。マジでデリカシー覚えろ。


113 ななしの勤勉
オマエモナー
(AA略)


114 ななしの奮励
うる覚えだけど「私も売られそうになったけど、キンタマ蹴り上げたら客が七転八倒したのでその隙に窓の格子外して逃げた。まあ窓の下の堀に落ちて泥塗れになったし逃走は失敗したけど」みたいなこと書いてなかった?


115 ななしの高尚
いちいち情報量が多いぞあの女


116 ななしの不屈
金玉キックの伏線回収されとる


117 ななしの厳格
うる覚えじゃなくて、うろ覚えだカスが。


118 ななしの勤勉
>>114 この件で上級生の娘に気合を気に入られて仲良くなったってホッコリエピソードみたいに書いてたけど、逃走が失敗したなら無事に済んでる筈がないんだよJK


119 ななしの慈悲
流石にキンタマに激痛走ってたら萎えるって
あんな繊細な臓器を股の間にプラプラさせてる身体構造はイミフ過ぎる。
よって貞操「は」無事に1票


120 ななしの高尚
>>119 さては人魚ちゃんじゃな
時に人間には、痛みと歯向かわれた怒りでビンビンにイキり勃つ猛者もおるでの。分からんぞ。


121 ななしの奮励
僕には何も分からないよ。赤ちゃんだからね。
ただ>>120 が低俗の精神に基づく寮に属している事は分かる。


122 ななしの熟慮
つか「この件で上級生の娘に気合を気に入られて仲良くなった」→「騒ぎを起こしてる間に、友達が学院を飛び出しました」発言に基づいて時系列考えると、懲罰房に入った原因はキンタマキックとはまた別にあるっぽくね?
学院の†闇†に告発成功したからこその学園炎上で「地下の懲罰房に入ってる時に出火」になる訳だろ?
監督生、恐怖心が存在しない人? 無痛症か何か?


123 ななしの慈悲
監督生はイカレてるだけで痛覚はあるよ。
ウチの支配人の電流トラップに引っかかった時は涙目だったし、バイト中に包丁で指切った時はスクリューに巻き込まれたイルカみたいな声上げてたし。


124 ななしの不屈
痛覚あるけどメゲない懲りない屈しないから猶更嫌なんだわ。単純に背水過ぎて覚悟ガン決まりでイカレてんだよ。


125 ななしの勤勉
監督生氏、名誉不屈寮で草


126 ななし不屈
不名誉すぎる。アイツは狂気の精神に基づく寮とか、厄介の精神に基づく寮とかだろ。一緒にすんな。


127 ネクラ侍
さっき聞いたけど、監督生氏が地下の懲罰房に入った原因=友人を逃がす隙を作る為の騒ぎを起こしたことでFAだって。
学校中の高価そうな調度品を片っ端から壊して回ったらしい。


128 ななしの厳格
金玉破壊のが重罪じゃんけ
と思ったけど、入学早々にG7の石像燃やしてシャンデリア破壊した奴の手際を考えると、想定される被害額に頭痛がしてくるな……


129 ななしの熟慮
待って
「さっき聞いたけど」って? スレ復活した?


130 ななしの慈悲
スレ削除されたままじゃん。
別のスレ立った?


131 ななしの厳格
マジカメにDM送っても反応ナシだよ


132 ネクラ侍
監督生氏ならさっき学園長と一緒にNRCに帰ってきたよ。今オンボロ寮で新しいスマホの設定し直してる。


133 ななしの不屈
待って


134 ななしの高尚
時の流れについてゆけない


135 ネクラ侍
前の端末は転校先でスマホ没収されたまま行方不明なんだって。


136 ななしの勤勉
いや、だから……知ってたならちゃんと言っててば……


137 オンボロ
それは私が先輩に「出戻った事を皆に報告するのはもう少し寮でゆっくりしてからにしたい」って言った所為ですね


138 ななしの奮励
うお、本人


139 ななしの高尚
ムシュー・疫病神!!


140 ななしの不屈
イカレ女ァ!! おかえりぃ!!????


141 オンボロ
行くアテが無くなったので、またオンボロ寮の監督生としてNRCに通う事になりました。
恥ずかしながら、出戻りってヤツですね


142 ななしの慈悲
お帰りなさい。労働力はいつでも歓迎ですよ。


143 ななしの厳格
とはいえ監督生、進路を鑑みればNRCを卒業するのは悪手って話じゃなかったのか?


144 オンボロ
>>143 はい……。
実は、学院のお客さん蹴った件、全然無事じゃないらしいんですよね。
表の身分じゃそこそこのお偉方だったみたいで、すっごい恨まれてるみたいなんですよね。
保身の為にほとぼりが冷めるまでは暫く学園に匿って潜伏生活をした方が安全ということになっちゃいました……


145 ななしの熟慮
し っ て た
珍体験スレが削除されて、学院の件が一切表沙汰になってないあたり、薄々そうだと思ってた。


146 ななしの不屈
虎の尾の上でタップダンスする性癖どうにかしろ


147 ななしの奮励
いっそ卒業後も学園で働きなよ。
学生にカツアゲされがちな用務員はメンタル病んで辞めてく奴も多いから常に空きがある筈だよ。


148 ななしの慈悲
大食堂への就職もオススメですよ。
調理師免許なら、モストロ・ラウンジ等の飲食店で2年以上の継続した調理の実務経験があれば調理師試験だけで取れますし。


149 ななしの勤勉
ラウンジ勤務もメンタル病んで辞めてく奴も多いから常に空きがある筈だよ。


150 オンボロ
よくよく存じておりますとも


151 副支配人
そこは是非とも否定してほしいところでしたが……しくしく……


152 ななしの厳格
ウワ、出たよ……


153 支配人
退校前に快くない退職の仕方をさせてしまったのは僕達も心残りなのです。
また貴女と働ける日を望んでいるというのは、僕の偽らざる本音です。
いかがでしょうか?


154 ななしの慈悲
監督生〜! オマエの賄い料理が恋しいよ〜!


155 ななしの慈悲
もしラウンジでヘンなちょっかいかけてくるヤツいたら、今度こそちゃんと絞めてやっから安心していいよ


156 オンボロ
魔法が使えなくても、この学園で学んだことは外の世界で生きると分かったので。前向きに学園生活を楽しみたいと思います。

>>153-155 じゃあ、またよろしくお願いします。前より時給上げてくださいね


157 ななしの熟慮
この学園で学んだこと(脱獄)


158 ななしの不屈
この学園で学んだこと(金玉キック)


159 ななしの厳格
この学園で学んだこと(調度品破壊RTA)


160 ななしの勤勉
絶対ソレは一般的じゃない。お前の見た世界が特殊過ぎるだけ。
多分、監督生が向いてるのも前ではない。


160 ななしの不屈
あーあ。
この纏まりの無さと面の厚さ、NRC生じゃなかったら何なのって感じ。もはやお前の実家だよ。


161 ななしの高尚
でも監督生が帰ってきた事をちょっと楽しんでるオレがいる


162 ななしの厳格
おかえり、監督生



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