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 5/4=みどりの日&白布生誕祭



5/3
白鳥沢学園女子バレー部の部室


「…というわけで、明日は白布の誕生日だ。そこで誕生日プレゼントをどうするかということなんだが」


「ち、ちょっといいかな…? なんで女子バレー部の部室で作戦会議なの…?」


「男子の部室だと、いつ賢二郎が戻ってくるかわかんないジャン? 若利君のスパイク練に付き合ってるうちに、こっちでヒソヒソやろうってコト!」


「別にいいけどそこのロッカーには触んなよ。沙羅と杏樹が大量に置き勉してるから、ロッカー開けたら雪崩れ起きるぞ」


「うわっ、そんな危ねえモン放置すんなよ!」


「話を戻しましょう。去年の『学食のおばちゃんに頼んで日替わり丼をしらす丼にしてもらう作戦』は、今年は諸事情により使えなくなりました。それは仕方ないとして、しらす丼以外のもので賢二郎を喜ばせなければいけません」


「川西めっちゃノリノリだな! ほんと2年組は仲いいよなー」


「ウチの2年も仲良いけど、もう少し平和なコミュニケーション方法を取ってほしいよね…。美羽といい泉澄といい…」


「でも、しらす丼以外で白布が喜ぶものって何だ? っていうかあいつ、どういう時に喜んでる?」


「若利にトス上げてる時はいつも嬉しそうだぞ」


「それはいつだって出来るジャン! なんかこう、特別感のあるものじゃないとさ!」


「しらす丼に特別感があったかと言われると微妙だけどな」


「特別感があって白布が喜ぶものなー…。いざ考えてみると、なかなか思いつかないもんだなー」


「白布くんが喜ぶものかぁ…。うーん、何があるだろうね…」


…………


「「「……あったーーーーー!!!」」」


「え!? な、なに!?」









5/4当日


「ハッピーバースデートゥーユー♪ 以下省略で、誕生日おめでとーけんじろー!」


「はあ、ありがとうございます」


「なんだよ、可愛くねえ反応だな! せっかくの誕生日だろ!」


「歳をとるごとにちゃんと身長が伸びてくれるなら喜びますよ」


「あ、なんかイライラしてる…さてはクラスメートに身長関係のことでなんか言われたか…」


「まあまあ、気を取り直して! ハイ、俺たちから賢二郎へのプレゼントダヨー!」


「はあ、わざわざどうも…って、何ですかこの肩たたき券みたいなのは」


「その説明は太一から! カモン、太一!」


「ハイ、こちら『空知さんが何でも質問に答えてくれる券』10枚セット! 白布に喜んでもらえて、なおかつ特別感のあるプレゼントということで、当社が自信を持ってお送りするこちらの商品! 今ならなんとおまけに5枚付いてきて、お値段がこちら!」←ジャパネットた○た風


妙に似てるモノマネしながら説明するんじゃねえ。…ってことは、この右端に書いてある『空知』のサインは…」


「もちろん空知ちゃんの直筆! 昨日の練習後に一枚一枚丁寧に書いてくれてたヨ! そんで基本的にNGはないから何でも聞いていいってさ!」ニヨニヨ


「つまり、テスト範囲について聞くも、バレーのアドバイスを貰うも、個人的な質問をするも賢二郎の自由ってこと」ニヨニヨ


「あ、先に言っておくが、空知はこれを『勉強もしくはバレー用』と思ってるからな。お前の気持ちにはまだ気付いてないから安心しろよ!」ニヨニヨ


「……」


「あれ、反応薄くない? 嬉しくないの?」


「いえ、正直言うとめちゃくちゃ嬉しいです。ですけどあんたらがニヨニヨしたいためだけに空知さんを巻き込んだのかと思うと、腸が煮えくりかえりそうだというだけで」


「ちょ、それは誤解だっつーの! 別に面白がってやってるワケじゃねーぞ!」


「そうそう、俺は同期として、チームメイトとして純粋に賢二郎の恋路を応援してるだけであってな」ニヨニヨ


「純粋さの欠片も無い顔して言うセリフかよ。…まあでも、ありがとうございます。ありがたく使わせてもらいますんで」


「よ〜しよし! そんでどんな質問すんの? ここはやっぱり王道に、好きなタイプとか?」


「もう答えがわかりきってるだろそれ」


「そこはスリーサイズだろ。男になってこい、賢二郎」


ぶっ飛ばすぞ太一。…まあ、空知さんが聞かれて困るようなことは聞きませんよ」


「えー?」








放課後


「空知さん、これありがとうございました。わざわざ書いてもらったみたいで」


「あ、ううん! むしろ、そんなものでよかったのかな? 天童たちは『これでいい、むしろこれがいいの』なんて言ってたけど…」


「はい、これがいいんです。それで、さっそく一枚使わせてもらいたいんですけど」


「うん、いいよ。私に答えられることだったら」


「よく女バレで行ってるっていう、空知さんお気に入りのカフェ、俺にも教えてください」


「カフェ?」


「…まあ、有り体に言えば、俺も連れてってください、ってことですね」


「なんだ、そんなことだったら喜んで! 今度の日曜日、午前練だったよね? 練習が終わったら一緒に行こうか」


「はい、お願いします」









「な、ナチュラルに空知とのデートを取り付けやがった…! 白布の奴、虫も殺せないような顔して、とんでもねえ奴だ…!」


「だから言ったじゃないですか、賢二郎は立ってるものなら親でも使う超肉食系だって」


「UGYAAAAAAAAAA!!! 絶許!!! よくも私の小鳩さんとォォォォォォォォ!!!」


「美羽、うるさいから黙ってて、それができなければ死んで」


「小鳩と白布、結構似合ってると思うんだけどなー。牛島、さっさと幼馴染と付き合うか、きっぱり振ってやるかしろや!」


「?」


「恋愛なんて上手くいかないモンだよネー。だから面白いんだけどね!」









おまけ・川西のものまねコレクション


「こちらの『空知さんが何でも質問に答えてくれる券』なんですけどぉ〜。今回特別に10枚セットに5枚込みでぇ〜。これぇ〜。19万8千え〜ん」←トー○堂風


「ぎゃははは、もっかいやってもっかい!」


「何でそんな細かすぎて伝わらないものまね得意なんだお前」







元ネタは細かすぎて伝わらないものまね選手権の博多華丸。




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