好きなの、好き。でも、それだけの言葉だけじゃ物足りなくって、もっと大きな意味の言葉じゃないと駄目だ。大好き、愛してるの、あなたがいないと、私は生きていけない…どんなに綺麗な言葉を並べたって、どんなに大きな気持ちだって、言葉にして口に出すと安っぽく聞こえるのは何故だろうか。

それは私が安っぽい人間だからかも知れないし、そうじゃないかもしれない…ただひとつ言えることは、私は軽々しくそういう類の言葉を口に出したり、また出したくらいじゃ安心出来ない程トウヤを愛しているのよ。

でも、ね。言った本人でさえ安っぽく聞こえるこの言葉を、いくらお互い想い合っているとはいえ他人であるトウヤに本当の意味で理解してもらえるのかしらって、生まれる疑問。ふんわりと浮かべられる私への穏やかな微笑みだって、あれは本物なんだろうかって、他人である私には判断しかねることと同じように。

好きならそれくらい分かって当然…皆そう言うかも知れないけれど、案外そんな考えで導き出される答えなんて、結局独り善がり以外のなにものでもないのよ、ね。だから、トウヤ。私はいつだって不安だし、いつだって貴方から与えられる愛を求め、飢えているのよ。


這いつくばってるおんなのこ/title 花脣



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