蜜月に差す翳り〜悲嘆 1


薄っすらと開けた目に、眩い光がダイレクトに差し込んできた。天井の蛍光灯の灯りだ。愛理は目覚めたときの仰向けの体勢のまま、少し目をパチパチしてから周りに目線をやる。スタッフジャンパーが無造作にパイプ椅子に掛けられていたり、殴り書きの字で側面に「グッズ スマホケース ロゴH」とか書かれている箱が隅にいくつか積まれていたり。どうやら、東都ホールの空き楽屋の一角らしきところに寝かされていたのだと判った。

そうだった。私、あのあと……愛理は先ほどまでにあったことを振り返ろうとしたが、しばらく上手くいかないままだった。心が、思い出したくないと悲鳴を上げそうだったから。ここへ来てから数時間ちょっとなのに、色々な衝撃を次から次へと受けてしまって気分が悪いし、頭もクラクラ、ガンガン、そんな状態を行ったり来たりしているせいでもある。

しばらくしてそうした状態がなんとか収まると、布のような何かが体の上に掛けられている感触に気が付いた。上体を起こして見下ろすとそれはタオルだった。赤い地に白く染め抜かれているのは「ROKUMICHI HADO」――透のお気に入りだというが、あろうことかコンサートと、変わった綴りだと話題になっているタイトルの新曲のリリースを控えながら、首を吊った状態で発見されたロックミュージシャンその人の名。

愛理は先ほど、波土禄道の遺体を目撃したショックなどで失神してしまったのだ。同時に、段々と気を失う前のおぼろげな諸々が思い出されてきた……誰かが自分をこの部屋へ運んでくれたこと、そのとき横抱きにされていたことも。

ああしてくれたのって透さんじゃないよね。愛理はまだ回らない頭で推理した。だって、煙草の臭いが少ししたから……あと、ここでバッタリ会ってからずっとよそよそしいし、何より梓さんとあんなにガッチリ腕、組んでたんだもの。

「誘ってくれた園子ちゃんには悪いけど、来なければ良かった」

頭を振って、過った光景を一生懸命散らそうとしながら呟く。誰が予想できるだろう?恋人が好きだと話していた歌手のリハーサルの見学に誘われてやって来たのに、あろうことか急死したその当人の亡骸を真正面から見てしまうなんて。そして何より、恋人が心細い気持ちで過ごしていた間中ずっと連絡が取れなかった透が現れるなんて――しかも、バイト先の異性の同僚、それも愛理も良く見知った榎本梓と、それは親密そうに腕まで組むところまで見せ付けられるなんて。



遡ること数日前。中間試験をどうにか乗り越えた、6月に近くて、5月にしては肌寒い日だった。

「なーんだ。不審者なんていないじゃない」

久々にやって来た米花二丁目に差し掛かったとき。愛理は透がいつか教えてくれた「変質者が出る」という情報に反論しつつ呟いた。ホッとした気持ちのまま道を歩いていけば、お目当ての工藤邸はすぐそこに見えていて、時間もスマホで確認したらちょうど約束通りだ。呼び鈴を鳴らせば、約束していた通り沖矢が「ようこそ愛理さん、表の門を開けてお入りください」と応えてくれた。

その日、愛理は4月のあの出来事があってから初めて、学校それから母の入院先以外の場所へ足を運んでいた。少しだけ良いニュースがもたらされたからだ――意識はまだ戻らないけれど、母が危険な状態を脱したという。

それに、母の容体に変化があったと伝えた日、こんな助言を友人たちから受けてもいたから。

「愛理、そろそろリフレッシュしない?病院以外のとこ行くとか」
「おばさまの具合もちょっと良くなったんだったらそうして良いのかも、って思うんだよね。杯戸シティホテルのケーキバイキングの監修してるシェフがお父様の友達で、今度うちに呼ぶんだけど良かったら来てよ」

放課後、愛理が母の見舞いに出る時間が来る前のお喋りのとき。ここのところ張り詰めていた表情を少しだけ緩めた彼女に「ママ、まだ意識は戻らないけど、もう命の心配は無いって先生が言ってたの」と明かされて、友人たちはみな自分のことのように安心し喜んだ。4人とも、愛理の家族が母一人だけということを(それに加えて、そうなってしまった原因も含めて)全員本人から打ち明けられているからこそ。

だが母の一件以来、登校はするけれど部活や稽古事は休んで見舞いに行くのは無理もないとして。笑わなくなり、目の下に隈を作り、肌の調子も顔色も良くない愛理を、友人たちは言うまでもなく案じてもいた。だから高校生なりに考えてそうした言葉を掛けたのだ。愛理にとっての「いつものいつか」が早く戻ってきてほしくて。

「小説読むとかもアリなんじゃない、探偵小説だっけ。愛理ああいうの好きじゃん」
「……そっか。小説」
「ド忘れしてたかんじー?」
「う、うん!そんな感じ!」

睦美の言葉に、愛理はそこではたと思い出した。文乃が軽く指先でチョンチョンと突っ突きながらからかってきて(もちろん、そこに嘲笑うような響きなど微塵も無いが)、愛理は久しぶりに声を上げて笑う。友人たちはまた別の意味でホッとして、いつもの5人が揃った空間には久々に笑い声の花が咲いたのだった。

あまりに目まぐるしく、そして心細さと不安に揺れ動きながらどうにか過ごしてきた日々。そんな中で、愛理は自分の趣味さえ忘れかけてしまっていた。そういえば、このやり取りをした前の日の夕方には、スマホのスケジュールアプリのリマインダー機能が、沖矢との約束の日が数日後に迫っていることを教えていた。そのタイミングとほぼ同じくらいに、彼からRineで“愛理さんにお目にかかれるのを楽しみにしています”というメッセージも入っていたからには。

……それじゃあ、工藤先生のお家に行って、沖矢さんと小説の話を思いっきりしようかな。愛理はふと思い立った。せっかく修学旅行の自由行動の経路も決めた(新名任太朗が存命中最後に書いた『左文字シリーズ』の作品では、左文字の友人でフランスに滞在中の売れない小説家として作者自身が出てきていたが、彼の登場する場面に関わる場所に行きたかったのだ)から、自分が決めたこととはいえ残念だとはもちろん思っている。だが友人4人には修学旅行それ自体はもちろん、それに関するお喋りも思いきり楽しんでいてほしい。「修学旅行に行かないことにした」と打ち明けてからは、友人たちも愛理の前でその話題は出さないようにしてくれている。解るのだ、十五年の付き合いだから。とはいえ、愛理としては自分の都合に付き合わせてしまっては心苦しい。「お土産話たくさん聞かせてね」とあとでRineを送ることに決め、「ごきげんよう」と告げてその場をあとにした。

それに、透さんからまだ連絡がこない寂しさも紛らわせるかもしれない。そう考えてもいたから。

恋人から連絡が途絶えて半月を過ぎた日。母の見舞いから帰った愛理は、久々に彼に手紙を出すべく、桜色の便箋を用意しペンを執った。「今どうしてますか、無理してませんか」「なりたいものができました」「ママのお見舞いに来てくれたら嬉しいです」とか、あふれ出る彼への思いや近況などあれこれを綴ろうと、長いこと考えに考えたのだ。

けれど、最近はあまりに色々なことが起きたせいでひどく疲れてしまって、近況をつらつら書く気力がなかなか湧いてこなくて。結局、諸々の気持ちを「透さんへ お元気ですか。逢いたいです 愛理」という一文に込めるのがやっとだった。

そしていざ出しに行こうとしていたら、たまたまこれから外出する使用人が「よろしければ投函してきましょうか」と申し出てくれた(最近はさすがにマスコミの姿も見かけなくなっていた)ので、それに甘えさせてもらうことにしたが。

「あら?お嬢様、切手をお忘れでは。それにお相手の住所とお名前も」

その指摘に愛理はハッとした。郵便を出すのに切手や宛先が必要なことくらいはさすがに知っている。でもこれが、メゾンモクバに住んでいたときだったなら、そうしたものは要らなかった。お隣に出す手紙だから、部屋を出て部屋の郵便受けに入れるだけで済んだ。なのに、今はもうそれが必要になるほど、透から離れたのだと思い知らされてしまった。

「キュウーン」
「……っ」

使用人の指摘に愛理は「うっかり忘れちゃってました、ありがとうございます」と笑ってみせた。だが、切手を貼り住所を書いた手紙を使用人に託したあと。彼女は畳にへたり込み、また泣き出してしまった。寄って来たハロが伸び上がって、一生懸命顔を舐めてくれたおかげですぐに止まった……のではない。もう涙を流す出来事が多すぎたから、涙の泉も涸れちゃいそうなんだと愛理は思った。


「ようこそ工藤邸へ。といっても、僕は仮住まいの身ですが」
「お邪魔しまーす」

門扉をくぐって沖矢に挨拶し、いざ上がらせてもらった。「荷物はこちらへ」と通された空き部屋にカバンを置かせてもらってから廊下を進む。工藤邸は愛理がイメージしていた通りの、これぞ作家の邸宅といった設えだ。久々に胸を躍らせつつ、彼女は沖矢の後を付いて行く。

すると隅に掃除用具が置かれていて、奥から何やら物音もしてくることに気が付いた。最初は「お掃除のお手伝いさんですか?」と訊こうとしたが止めておくことにした。先ほど玄関で見た光景からして的外れな推理だろう。沖矢が履くのだろう男物のオックスフォードはさておき、女物のローファー2足と子供サイズのスニーカーなんて、どう考えてもお手伝いさん、あるいはこの邸の主である工藤一家の履物ではないはず。推理力はそう高くない愛理にだって、さすがにそれくらいの見当はつくのだ。

「あれれ〜、愛理お姉さんだぁ!久しぶりだね」
「愛理ちゃん!?」
「おっひさー!」
「蘭ちゃんに園子ちゃん?それにえっと、コナン君……だった?久しぶり、でもどうしてここに」
「私たちたまに新一の家掃除するんだけど、今日もそれで来てるの」

一番のお目当ての工藤優作の書斎には、先客がいた。コナン、それから三角巾で頭を包んで腕まくりした園子と蘭だ(彼女は内心「新一の家にどうして愛理ちゃんが……?」と少しジェラシーを感じもしたが、沖矢が「実は愛理さんとは少し前から探偵小説談義仲間でして。今日愛理さんをお招きする予定をうっかりお伝えし忘れてしまっていましたが、工藤先生の書斎を見学したいとかねてからご希望だったんですよ」と明かしたので一応納得はした)。

「そういえば真純ちゃんは?」
「ホテルの引っ越しらしいわよ。あーもうあの推理オタクったら、ちょっとくらいこういうことしに帰って来なさいっつーの!何が悲しゅうて学校帰りの華のJKが……」

女三人寄れば、という慣用句のお手本のように、早くも女子高生トリオのお喋りが始まる。その横で、沖矢がコナンだけに向けて一瞬見開いたグリーンの目は、確かにこう言っていた。

――「“仕掛け時”のようだな、ボウヤ」

それを受けコナンは「了解」の意味を込めて目配せしてから「ボ、ボクちょっとトイレ〜」と、いつもの方法でその場を抜け出す。愛理たちの話はまだ続いていて、返答は無い。

ただ、目指すのは当然トイレではない。先ほどはさも驚いているかのように装ったコナンだが、内心ではほくそ笑んでいたのだ。APTX4869の解毒剤で一時的に工藤新一の姿に戻り、出席日数が足りないので受けさせられた進級試験を余裕でパスした日のように。

今日跡良愛理を工藤邸に招く予定だということを、実はコナンは沖矢から既に知らされていた。あと「彼女は白猫も白猫だったんでな」――つまりその独特の言語センスで言うところの「跡良愛理は組織と何ら直接の関りが無い」ということも、彼女を家に上げたら離れたところに荷物を置かせるから、その間に……ということも。

それはそれとして、絶好のチャンスがようやく巡ってきた。今までなかなかタイミングが掴めずにいたが、発信機兼盗聴器を彼女のどこかに取り付けて安室透、もといバーボンの動向をより探るための。彼と愛理は恋愛関係にある以上、接する時間も長いだろうから、何か更なる情報が得られるかもしれないと踏んだのだ。最近彼女が件の恋人と離れつつあることまでは知らないまま。

先日の小五郎を巡る攻防のあとの、【はくちょう】のカプセルを止めるための極秘任務〈シークレットミッション〉。互いが互いの協力者として手を結んだあれ以来、コナンは透と顔を合わせていなかった。違法また違法の作業すべてに片を付けた後、背中合わせにあの場を去ってからの透の動向は何も知らないのだ。

後日、阿笠邸で日下部の動機などについてのニュースを見てから帰宅したら、蘭に「安室さんから差し入れもらったの。お父さんの無事を祝って、だって」と、お馴染みハムサンドや、ミートボールとキャベツのミルクトマト煮などを振舞われた。しかし透がポアロに出ている様子はここ数日見ていない。組織の任務か……いや、きっと書類や揉み消しとかの後始末なんかで忙しいんだろ、とコナンは想像する(ちなみにそのとき透もとい零は、警察庁の庁舎の自席でまさしく数十ページ目の顛末書を打っている途中にくしゃみを何回か連続でして「誰か噂してるのか?愛理かな?」と思っていた)。

愛理のカバンの前にたどり着き、コナンは少し考える。さて、何に仕掛けるか。少し持ち物を見て、愛理のスクールバッグに付いているトロッピーのマスコットに目を留めた。服を着ていて、しかもなんとも都合の良いことにそれは発信機兼盗聴器と同じ色合いだったし、すっぽりとそれを覆い隠せるサイズだったのだ。服の隙間に仕込んでやれば、カムフラージュにうってつけ。コナンは思わずニンマリしそうなのをなんとか抑えるのに苦労した。

……そのとき、なぜか思い出されてくることがあった。まず、買い出しの様子を盗聴していたとき、透が「梓さんはいいお嫁さんに」云々と言ったら、彼女は別の売り場へ目当てのものを探しに行く前「あと安室さん、さっきのお嫁さんがどうとかっていうのは愛理ちゃんに言えばいいじゃないですか!あの子にまで睨まれるのはイヤですからねっ」と窘めていた。それと、カプセルの軌道を逸らしたあの夜、恋人がいるのかと訊ねたあのとき。少し照れたように鼻を掻いた透が口にした「僕の、恋人は……」ってのは、「自分と愛理が生きるこの国」って意味なのか……?

「どうしたのコナン君?」
「! えっと、トロッピーかわいいなーって!愛理お姉さんも好きなんだね、ボクの学校でも人気あるんだよ」
「私のとこもそうなの。お揃いね」
「うん!」

そのとき背後から愛理に声を掛けられ、コナンはギクッとした。どうやらカバンから取り出したいものがあるのか、彼女は「ちょっとごめんね」と断ってからファスナーを開け、スクールバッグから何かを取り出すとその場を去った。足音からして書斎へ戻るらしい。コナンが自分の持ち物に何かを仕掛けたところを見咎めていたわけではないのが、その行動からはよく判った。赤井が「白猫」だと断定するだけはあるということだ。

「……あっぶねぇー」

安堵しつつ、思惑通りことを運んだコナンの眼鏡は、陽光が差している日でもないのに光っていた。


「跡良ちゃん、なーにその幼稚園児のスモックみたいなやつ」
「タブリエっていって、うちの学校では着いてから帰るときまで制服の上からこれ着て過ごすの。書道とかお掃除の時間に汚れないようにって」
「えーっ初めて見た!」
「帝丹では着ない?」
「ウチどころか他の学校でも着てるとこほとんど無いんじゃないの」
「そうなんだ……それじゃ、掃除機掛けちゃうね」

蘭たちが立ち働いている手前、愛理は自分だけ寛ぐのもなんだと思ったから「私もお手伝いさせて」と申し出た。掃除は愛理が到着する前から始まっていたので残る範囲は少ないようだったが「んじゃ、お言葉に甘えて仕上げの掃除機担当よろしくっ」と園子に頼まれたので引き受けた。家では使用人たちが掃除をするので、愛理ははっきり言って慣れておらず得意ではない。学校では掃除当番として嫌でも経験するが、当たっている日はちょっと憂鬱だ。それでも進めていくうち、少しだけスッキリしたような気もする。心に淀むあれこれが少し取り払われたような気がした……透のことを除いては。

「ね、二人とも。彼氏と逢えない間って、どうやって寂しいの紛らわしたら良いとかってある?」
「安室さんと何かあったでしょー」
「うん……お仕事忙しくてなかなか逢えてないの」

掃除が終わり、沖矢が紅茶を振舞ってくれた。それに手を伸ばしつつ、蘭は「愛理ちゃん、安室さんとは最近どうなの?」と訊こうと考えていたが、なんだかそうしないほうが良さそうな気がした。

加えて愛理が「あと、実は修学旅行なんだけど、家の都合で行かないことになっちゃって……お土産の約束してたのにホントにごめんね!」と謝ってきたし、よくよく見れば顔色も優れないようだった。彼女がそうなった原因である母の一件は公には伏せられているので、蘭も園子も何も知らないが、二人は何となく事情を察して「良いの良いの、気にしないで」「お気持ちだけありがたくもらっとく、ってことで!」と応えた。そして、それ以上追及しないことにして手を動かしつつ、自分なりの「寂しさ紛らわし術」を披露していたが。

――そのとき園子の頭に、とある考えがひらめいた。

「そうだ!来週東都ホールで波土禄道のリハーサルを見学させてもらうことになってるの、あのロックミュージシャンの。跡良ちゃんもどぉ?沖矢さんと蘭も一緒よ。ただ、あのガキンチョもなーんかくっ付いてきたがってるから騒がしいかもだけど」

ハドロクミチ。聞いたことがあるような、無いような。少し考えた愛理だったが、その名前にもやはり透にまつわる記憶が紐づいている。透さんと去年の年末、紅白歌合戦でどっちが勝つか当てっこしたときに「白い方が勝ちますよ。あのヒット曲『連峰の白い悪魔』を歌うんだから」って言ってたよね。ママのお見舞いは秘書さんにお願いしよう。透さんにまた逢えたとき、リハーサルのこと話してあげたら喜んでくれるかもしれない……そう思ったから。

「あ……えっと、行ってみたい!」
「じゃあ決まりってことで。詳しいことは後でRineするから」

こんなやり取りのあと、沖矢と今日の目的である小説談義のため愛理はその場に残った。すると、暇を告げて工藤邸を後にしようとしていた園子は、別れ際に愛理にこんな言葉を掛けていたのだ。

「跡良ちゃん元気出して。きっと絶対安室さんに逢えるからねっ、それも近いうちに!」
「うん。ありがとね園子ちゃん、蘭ちゃんもコナン君も気を付けてね」
「愛理お姉さんじゃあねー」
「またね」

園子の励ましが嬉しくて、愛理はニコッと笑い返した顔のまま三人組の背を見送った。

それがあんな日に繋がるなんて、思いもせずに。



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