過去拍手文(2016年冬)
 


今年は例年よりも寒い冬だ。
そう誰かが言ったか。
まあ、結局寒い事には変わりないので大して興味もないのだが。
ふう、と白い息を吐き、しんしんと雪の降る空を見上げ歩く。
暫く歩き、公園でまだ雪の積もっていないベンチを見つけると、そこに座った。
そして先程コンビニで買った肉まんを取り出し、がぶりと大きな一口。


「…うん、美味い」


小鳥遊 曽良。
冬は苦手だが、寒い中で温かい食べ物を食べるのは好きな様だ。
よく味わう様に肉まんをまた一口。
やはり美味い。
普段なら機嫌を損ねるこの寒さも今は気にならず、寧ろ上機嫌だ。
ああ、そうだ。今度は岡崎も誘ってみよう。
彼女なら、この喜びを分かってくれる気がする。
小さな、けれども確かな幸せに曽良自身も見た事ない微笑みを浮かべた。



前へ 次へ

[ 60/68 ]






「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -