後輩ちゃんとお昼ご飯
 


高校二年生になってから、結構経ちました。
曽良君は相変わらず私の名前を覚えてくれないけど、学校生活は楽しい。
とっても仲良しな後輩も出来た。


「クレハセンパイ、一緒に昼御飯食べましょ」

「うん、いいよ!」


桜井 光咲ちゃん。
初めて会った時は警戒とかされちゃったけど、今では凄く仲良しなの!
……警戒された理由は、出席日数が少ない事をお得意のお節介で言ったら怒られちゃって。
どうやら彼女には人を見ればその人の個人情報が見える、みたいな能力があるらしい。
それで情報屋?みたいな生活をしてるから、学校にあまり来れないんだって。
でも、さっきも言った様に今はとってもとっても仲良し!


「ヒカリー俺の分の弁当ないの」

「ヒカリじゃねえよ!曽良センパイの分何か作ってたら食費だけで生活費オーバーするっスよ!」


あと、私と同じ曽良君の名前の被害者かな?
あとあと、ツッコミが素晴らしいです。
光咲ちゃんは色々な所に行ってるから、そこで見たものとかお土産話をよく聞かせてくれる。
今回のは、いつもと少し違ったけど。


「……そう言えば光咲ちゃんさっき何か気になる事があるって言ってたよね?」

「あ、そうだ。この前行った場所、夜中に女の子がいたんすよ、黒猫連れてる」

「猫の散歩してただけじゃねえの」

「それって有り得るんすかね…いや、雰囲気が何か違うと言うか…何と言うか…寂しい?」

「何だそれ」

「それで話しかけようとしたらビックリしたのか逃げちゃって」


光咲ちゃんから人に関心を持つのは珍しい。
お仕事の経験からか慎重な子だし。
だから……私も気になるなあ。
夜中の女の子、良い子だったら友達になれるかも知れないよね!
うん、今度見に行くみたいだし、頼んで連れていってもらおうっと。
それよりも、遮る様になっちゃうけど今は別のお願いがある。


「ねえ二人とも今日の放課後ゲームセンターに行こうよ!」


そう、私はゲームセンターで遊びたい。
私はクレーンゲームが苦手なのにそれの景品は好き。
お菓子でもお人形でも、とにかくやるのが楽しいのかな?
取れなくなって、得意な子に結局頼んだりするけど。
それに、単純に皆と遊びたいのもある。


「菓子くれんなら行く」

「勿論!あげるあげる!」

「えー、センパイまた取れなくなってあたしにやらせるんでしょ」

「う……あは、そうかも」

「まあ良いけどさ」


呆れた表情はされたけれどあっさり(?)OK!
やったやった!放課後が楽しみ!
曽良君はお菓子で釣れるから良いけど、光咲ちゃんと遊ぶのは久しぶりだ。
沢山景品取れると良いなあ。
そんな事を思いながらにこにこしていると曽良君に物凄い見られている。


「…お前結構失礼な事言うな」

「え、何が!?」

「センパイ全部口に出てましたよ」

「嘘!?」


…どうやらお菓子で釣れるの辺りから口に出ていたみたい。
ま、まあこんな事で曽良君は怒らないけども。
とにかくごめんね、と謝る。


「うーん……でもセンパイクレーンゲーム練習しないと」

「うぐぅ……」

「あたしがいる時は取ってあげるけどさ、てなわけで今日はギリギリまで助けない方向で」

「えー!」

「じゃあ俺に失礼な事言った罰って事でいーじゃん」

「そ、そんなあ……!」


うう、これも口は災いの元に入るのだろうか…。
まあ、そうだよね。ゲームとは言え頼ってばかりじゃダメだよね。


「因みに今日はセンパイが大好きな気だるげおっさんウサギぬいぐるみDXが入荷っすよ」

「そんなら、モミジは絶対取らなきゃだな」

「うん……うん、私頑張る!」


そう決意した心が折れるのは、数時間後の話。





(うわああん光咲ちゃん取れないよー!)(センパイがんば!そこ!その右脇にアーム引っ掛けて!)(あああああ変な向きになっちゃった!)



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