闇花1
私は鬱都 闇花。不幸な女。
最近出会ったハッピーこと岡崎 紅葉とか言う女に、振り回される毎日を送っています。
毎回何故か一緒に行ってしまうし、いつの間にか囲いの仲間入りしてるし。
心は拒否をしているのだけれど口には出せず、何かもう今となっては
「闇花ちゃん放課後お買い物行こうよ!」
「ええ…!?えっと、その…」
名前で呼ばれる様になっている。
…馴れ馴れしすぎるのでは!?
私、私名前で呼んで良いなんて言ってない!言ってない筈!
仮に言ってたとしても相当冷静さを欠いてる時だし!
これだからハッピーは!
あんたの考える心の距離と、闇花の心の距離は全然違うんだからね!
最近一緒に映画観に行ってあげてるからって、調子乗りすぎだから!
……あ!映画、映画と言えばこの前…
『う、うう…何て名作…なんて素敵…主人公を助ける為に、守られてばかりだったヒロインが自分の命を捨て胸に剣を突き刺す所なんて最高…はああ、また観に行きたい…』
『鬱都さんの教えてくれる映画って、ダークな雰囲気だけど綺麗で、繊細な感じでいつも面白いね!惹き込まれちゃう!』
『そ、そうなんです…マイナーなんですけど、面白いんです……何か、映画の趣味で分かり合えそうです…も、もし良かったらお互い名前で呼んでも…』
『全然大丈夫!寧ろ嬉しいよ!また映画観に行こうね闇花ちゃん!』
あ……ああ、あああああ!
言ってた!私言ってた!なんで!?
鬱!超鬱!激鬱!
死にたい死にたい!
もう嫌だあああ!
「殺してえええええ!!」
「えええなんで!?い、嫌だったかな…!?」
「違うんです!自分のアホさに死にたいんです!殺して!」
「友達殺すなんて無理だよ!?そ、そうだ闇花ちゃんまた映画観に行こうよ!今日行く予定の場所すぐ近くに映画館あるから!だから闇花ちゃん誘ったの!」
「映画館…?……行きます…!」
「わあ、良かった!じゃあ後で行こうね!」
…ああ、また流れでOKをしてしまった。
私は鬱都 闇花。不幸な女。
自分の流されやすい、釣られやすい性格を何とかしないといけないわ。
まあ、あんたを呪うのはやめないんだけどね!
絶対絶対ぜーったい!いつか不幸にしてやる!
ヨイショしてあげるのは今だけ、これフラグじゃない!
「そうと決まれば今夜も丑の刻参り…」
「?何か言った?」
「な、何も言ってないです…!」
…フラグだとしても絶対へし折ってやるからね!
そんな平和ボケした顔をしてられるのも、今だけなんだから!
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