天使という名の悪魔


「うぉーし、ここが噂のグリッターオアシス…」
 皆さんおはようございます。今グリッターオアシスは朝9:30。
 時差ボケをふっ飛ばすように、もう精一杯伸びをしてやれ。
 私の名前はナユタと申します。ず〜っと日本の群馬県で暮らしてましたが、遂に。遂に!
 憧れの地へっ!!
 何が憧れって、クレイジータクシーですよ。ええ。あの道交法無視のアレ。
 日本でやったら捕まります。トーキョーじゃインラインスケートで走り回っただけでケーサツが銃撃ってくるレベルだもん。トカイこわい。
 だけどここじゃやりたい放題なんだってね!
 私はここに、クレイジータクシーをする為に来た。
 ずーっとスタントを日本でやってたけどね。やっぱりさ、走りたいのよ、自由に。

 …ただ、な〜んも無計画。
住まいは何とか慣れない英語でメールのやり取りしたけど。…車はさ。流石にね。
 まあ現地で見つけようという魂胆。

 やる事は山積みだ。
 現地の免許を取って、車を見つけて。
 …多分改造もしなきゃダメだ。
 跳ねるんだよね?車体が。
 …動画あるかなー。

 …見れば見る程。日本語は少ない。
 日本人じゃない人なんて寧ろ多い。

 当たり前だ。ここはアメリカ・ラスベガス。
 …そういや近年日本に対する当たりが強いんだっけなあ。
 …心構えもせずに来ちゃった。
 今更になって恐怖が襲う。

「…ひ、ひひひ…クレタク、クレタクやるんだ…!負けるか…!」

 日本には帰るか!帰らないんだから!

「あ、あの娘大丈夫かしら…」
「随分と妙な言動する奴だな…」

 スーツケースを引っ張って空港を出る。
 目指すは決戦の地、ラスベガス…!
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