「じゃ。私はモコナと行ってくるよ」
奈々が切り出す。それにモコナも続く。
「モコナも奈々とがいいー♪」
「白饅頭がいねぇと羽根を探せねぇだろ」
黒鋼が反対する。ファイも「そうだねぇ」と同意していた。それに奈々が反論する。
「ファイだって羽根の波動少しくらいなら分かるでしょ?阪神共和国だってそうだったし…それと、ね」
「なに?」
焦らす奈々ファイが催促すると、奈々はこう答えた。
「モコナと一緒だと、金魚がいっぱい取れるのっ♪」
「は?」「え?」
奈々の不思議発言に疑問符を並べる二人。すると奈々は酔った時のサクラのようにキラキラとした目で話し始めた。
「あのね!モコナの超吸引力で金魚を吸い込んじゃうの!あ。勿論水ごと吸い込むから金魚は無事だよ。侑子の方には水槽を用意して置くように手配してあるから大丈夫♪私、昔っから金魚飼うのが夢だったんだー♪お世話は四月一日がしてくれるって!」
「「……………………」」
「ねー」と見合わせる1人と1モコナに頭を抱える2人。
「お前…金魚屋に失礼とか思わねぇのか」
「ううん」
「その四月一日君って子に迷惑とは思わない…?」
「全然」
「さっき女じゃ危ねぇ って自分で言ってただろ」
「スタンガン持ってるから大丈夫」
はぁあぁー…… 盛大な溜息をつく2人。
「もういい。勝手に行け」
「本当!? やった! モコナ行こう♪」
奈々は巾着袋にモコナをいれ、走り出した。巾着袋からはみ出したモコナの頭が少し間抜けだ。
「黒様は奈々ちゃんと2人で行きたかったのにねー」
「五月蝿ぇ」