1951〜2000 | ナノ

/抗うつもりはないよ。従うつもりもないが
/開かれた午後の窓からは甘く柔らかな金木犀の香りがした
/その心地よい温かさに、僕はゆっくりと目を閉じた
/分かっていただろう、神様。嗚呼、それでも、また独りから始めるかい?
/笑えないなら泣けばいい

/涙で汚れた白い羽根
/死霊は嗤う
/道端の石ころと僕のチープな幸福論
/弱虫ライアー
/楽しくて楽しくて堪らないって顔をして

/全てから逃げ出したいんだ。生からも死からも天国からも地獄からも
/石ころを蹴る日
/ちっぽけな宇宙
/歯車ひとつ失くしただけで
/よくもまあ、神様はこんなに上手く世界を作ったものだ

/ただの人間の癖に
/痛んだ心臓を握り潰してしまいたかったの
/虚無を抱く無神論者
/君を溶けたチョコレートの中へ沈めて、そのまま固めてしまいたい
/冷蔵人間

/電子レンジと猫の歌
/兵器の悲鳴
/こんな小さな無機物のかたまりに依存して
/愚かな少女は愚かな死を望む
/ゴミ溜まりの上に降る夢

/忘れられた美しい魂に祈りを
/言い訳は犬に喰わせて
/震える身体を抱き締める手もなく
/それは、無意味な日々
/憂鬱な下腹部の痺れを無視して

/Mr. No. 0 has died
/ごめんねは聞けそうにもなくて
/人嫌いな人
/3秒後の死に向かい、僕は最後の微笑みを浮かべてみせた
/瞬き三つ落として消えた

/叶わない願いごとを、わざと繰り返してみたりして
/いいんだ、もう、憎むのも疲れたから
/夕焼けに溶ける
/ありがとうで終わらせて
/そして、僕は言葉を忘れる

/懸命に生きることもしないで死ぬはずもないのに
/それは幸せとは違ったかななんて
/名前のない固まりがそこにあった
/死体カーニバル
/僕の小指は犬に喰われてしまったので

/だがしかしもしもしもならばいやでもだからだったらだろうけれどであっても星人
/あのその君
/星屑の見る夢
/優しい声で囁いて
/フレーバーティーに沈む夢


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テーマ「人外ファンタジー」
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