盗撮 どうもおはようございます。 今日は東月が職員寮の前にいなかったので朝から頗る機嫌がいいです。 何故いないのかとても不安なんだけど…。 「……」 回りをキョロキョロしながら校舎へと進んでいく。 本当に何もない。 東月どころか他の生徒もいない。 下駄箱に着いて上履きに履き替え、教室に向かう。 校舎の中には生徒がいたがなんか静かだ。 何があったって言うんだ…。 校舎の中も前後左右を気にしながら歩くが東月はこなく、教室の前まで来た。 ドアに手をかけて私は固まった。 何かがありそうだったから。 嫌な予感がしたが開けなければ教室に入れないので、生唾を飲み込みそーっとドアを開けた。 「……、…」 教室に東月はいた。 そして、真剣に携帯を見詰めている。 何時もならばなまえ!と半ば叫んでるような声を出し近づいてくるのにこないので不審におもったが、自分の席に向かった。 しかし、一向に東月は反応しない。 何を一生懸命に携帯を見詰めているのかと思い、静かに近付いて携帯の画面を見る。 その画面を見て、私は固まった。 「…あ、なまえおはよう!」 「…、……」 「なまえ、どうかしたのか?」 どうかしたのかじゃない。 この画面に映ってるのがどうして私なのか聞かせてくれよ。 髪型がいつもと違うからあれはきっと先週の金曜日の写真だ。 しかもシャーペンを握ってるということは授業中。 こいつは一体授業中に何をしているんだ。 「今すぐ写真を消せ!」 「ダーメ。なまえコレクションが減るだろ」 なまえコレクションって何デスカ。 まだ他にも私の写真があるってことですよね!? 「私の写真を全部消せぇ!」 「ダメって言ってるだろ?」 はっていうか授業中って音するから写真とれないじゃん。 じゃああの写真はどうやって…。 「東月、さっきの写真はいつとった?」 「先週の金曜日の三時間目」 「どうやって撮ったんだよ音するじゃん!」 私がそう言うと東月は携帯、スマホを私に向けた。 30秒くらいして、東月が私に画面を向けた。 その画面を見ると、私が映っていた。 「無音カメラっていうアプリがあってな、それで撮ってたんだ」 「………じゃあ、それは今撮ったってこと?」 ああ、と言って笑う東月に殺意を覚えるのは何度目のことか。 スマホを奪おうと思い東月に向かって手を伸ばすが手を上に上げられて奪えなくなった。 「東月!消して!」 「やーだ」 東月が手を上に上げるから私も手を上に上げた。 しかし全然届きはしない。 頑張って爪先立ちして手を伸ばすが、あとちょっとというところでバランスを崩し、東月の胸に飛び込んだ。 「…わぁっ…!」 「なまえは大胆だなぁ…」 「ちょっと離しなさいよ!」 私が胸に飛び込んだと同時に東月の手が下に下がり私を抱き締める。 コイツは一体なんなんだ。 自意識過剰すぎる。 「っていうか私の写真盗撮じゃん!犯罪だから消せ!」 私がそう言って東月の胸板を力いっぱい押すが動かない。 それどころか東月は私の背後で器用にスマホを弄り何かをしている。 「…東月、そろそろ離さないと…」 「……あれ、なまえちゃんにすず…」 声がして首だけをばっと後ろに向かせる。 そこにいたのは、この学園の女神であり東月の幼馴染みの月子だった。 私と東月を見て月子は頬を赤く染め、ごめん…!!と言って出てってしまった。 「ちょ、月子ぉぉおおオオ!?!!?」 引き止めようと叫んだのだが運動部に所属している彼女の足は速く、私が叫んでる間にいなくなってしまい私はショックで声が裏返ってしまった。 「お前なんか大っ嫌いだ!!」 「ん?大好きか、俺も大好きだよ」 あぁ神様、どうかコイツの頭を治してください。 盗撮が犯罪って知ってますか? 無音カメラを友達が持ってたんでネタとして使った。 Title by 確かに恋だった 20130124 |