変える

軍人パロ




「……なあ、そろそろ諦めたらどうだ?」
「っ、だ、れが…!!」

鎖で繋がれた首と腕と足。
名前が身体を無理に動かす度、ガチャガチャと金属音が密室の部屋に響いた。

名前は、俺達の国と敵対関係の国の軍人だ。
女は普通、戦なんかに出てこない。
戦なんか知らず、暢気に暮らしているものだ。
だけど彼女は戦場にいた。
剣を持って戦っている彼女の姿に、俺は惹かれた。
だから、あの手この手で彼女を無理やり俺の基地へと連れて帰って―――閉じ込めた。

「帰しなさいよ…!!」
「嫌だ」
「いい加減にして!女だからって馬鹿にしてるの!?なにもしないで閉じ込めておくだけなら帰してよ!」

もう名前が俺の基地にきてから五日はたつが、名前には何一つ与えていたない。
食べ物も水も全て。
そろそろ限界だろうと思ってたけど、まだダメみたいだ。
俺を必要とするまで絶対に何も与えない。

「あははは」
「っなに笑ってるのよ!」
「ふくく…別に何もしてない訳じゃないよ」
「…馬鹿にしてるの?」

ああ、やっぱりわかってないんだ、俺の意図を。
まあ、わかってたらこの監禁自体終わりなんだけどさ。

「大体、帰るって何処に帰るの?」
「何処って私の国よ」
「名前の国ならね、滅んだよ」
「……は…?」

よくわかってないみたいだから、もう一度言ってあげた。
そうすると、漸く俺が言ったことを理解したようで、顔が絶望の色に染まる。

「嘘、だ…っ」
「嘘じゃないさ、本当だよ。だから、俺はここにずっといるんだよ?」
「!……そん、な」

まあ、嘘なんだけどさ。
これから、本当になるから名前に伝えただけ。
俺達の国が優勢で名前の国が劣勢。
あちらの国が落ちるのも、もう時間の問題だから。

「もう、誰も名前を助けに来てはくれないよ?」
「嘘だ、嘘だ嘘だ…!!信じない!私は信じない!」
「信じる信じないは勝手だけどさ…これから、楽しみだね」

俺はそう言って笑った。
だって、本当に楽しみだったから。
名前がどうやって俺に堕ちてくれるのかが。
まだ意味を理解していない名前に、俺は微笑みを向けた。






日記の追記に書いた小説をちびっと付け足してup。
軍人パロとか楽しい。
題名は憎しみを愛に変えるぜへっへーいって感じ……のはず←

20120819

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