節電なんてクソ喰らえ

私の彼氏はスキンシップが激しい。
抱き付いてくるぐらいはいいのだけれど、このクソ暑い真夏に抱き付いてくるのはやめてほしい。
暑くて節電なんて出来ないし、いい加減にしてほしい。
言ったってやめてくれはしないんだけどね。




「名前―」
「なによ―」
「あつい―」
「……」

翼が部屋に遊びにこいと煩いものだから、仕方なく遊びに来た。
私の部屋のエアコンが壊れていて、涼しい場所に行きたかったから丁度いいかなって。
なのに、涼しいと思ってきた翼の部屋で、私は翼に抱き付かれている。
部屋の温度は25度に設定してあって十分涼しいはずなのに、翼が抱きついてて暑い。

「離して」
「やだ―」
「わがまま言うな馬鹿」
「ぬがっ」

頭を少しあげて、翼の顎に頭突きをクリーンヒットさせた。
翼は強すぎる痛みに私を離し、座っていたベッドの上でのたうち回る。
………頭突きをかました所が痛い。

「そのまま寝転がってろ」
「ぬ―…」

翼がベッドで寝ているから私は床に寝転んでその辺にあった雑誌を引っ付かんで読み始めた。
今日は珍しく翼の部屋片付いてたな。
私が来るからって片付けた?
まあ、それはないだろうな。
どうせ、梓がきて片付けでもしたんだろう。


雑誌が読み終わり、暇になってやることがなくなったから寝ることにした。
翼が離れて涼しいから気持ちいい。




「ん…?」

暑い。
身体がうまく動かないし、一体何があったというんだ。
重い瞼を開けると、翼の顔がドアップで映った。

「…翼、なにしてるの?」
「一緒に寝ようと思ってたんだぬーん」
「あ、つ、い!!」

暑いと言っても私を離してはくれない。
じたばた暴れても、翼の腕の力は案外強くてびくともしない。

「暑いっていってるでしょ!!」
「いやなのだ―!!」
「私が嫌だわボケ!!」

頭を叩くとぽかんと中身が入っていないような音がした。
…翼の頭の中スカスカなのかな…。

嫌っといった私を、じっと翼が見詰めてくる。
心なしか、目が潤んでるような気がした。

「名前は俺と寝るの嫌?」
「いや別に、嫌って訳じゃないけどさ…」
「じゃあ、一緒に寝よう?」

なんか乗せられた気がする…。
だけど、この状況も満更じゃないみたいだ。
だって、本当に嫌だとは思ってないから――






短い…。
ストンと終わってしまったorz

Tittel by 自

20120815

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