Short story ∇好き@哉太 「好きだ…」 「…どうしたの哉太、熱でもある?」 「ねぇよ!」 「じゃあ一体どうしたっていうのさ」 「べ、べつについった―で何かあったわけじゃ…」 「ふーん…ついったーで好きならちゃんと好きって言えって回ってきたわけね」 「なっべつに…!」 「さっきからべつにって言い過ぎ。…私も好きだよ」 ちゅっ 「なっ…うわぁ!」 「ぶっ哉太転んでる…!!」 「あ―…呆れてるね」 「なんであんな馬鹿なんだろうね」 01.25 Fri 00:35:13 ∇愛と言葉@錫也昔から歌うのが好きだった。 誰かに聞かせるためとかではなく、純粋に歌うのが好きだった。 親は私が歌うと喜んでくれて、それが私は嬉しかった。 家にいる時は四六時中歌っていたが、学校にいる時はそうはいかない。 しかし、歌わずに生活など私にはできなくて、小さい声で歌っていた。 それがクラスメイトに聞かれ、最初はこう言われた。 「上手だね!」 幼かった私は調子にのり、人前だということを気にせず歌うようになった。 しかし段々クラスメイト達は私から離れていき、私は孤立した。 そして、いじめるやつも現れたが、私は直ぐに親の転勤で引っ越した。 それからは、極力人前では歌はないようにして、家で一人で歌っていた。 高校に入る時だ。 最初は家から通える高校に入る予定だったのだが、親が海外に転勤することになり、私は全寮制の高校に入ることになった。 上がった候補の中から自分の学力にあった高校を選んだ結果、星月学園に通うことになった。 入試の時私はインフルエンザで出ることができず、別の日に受けることになった。 だから、私は気が付かなかった。 この学園が男ばかりだと言うことに…。 入学式の日、私は憂鬱で仕方なかった。 回りは男だらけで好奇の目でみられている。 「…はあ…」 私が溜め息を吐いたとき、背後で可愛い声がした。 男の声じゃなくて、可愛い女の子の声。 後ろを振り向くと、男二人に守られながら歩いてくる女の子がいた。 夜久月子、それが彼女の名前だった。 私は月子と一緒に歩いていた東月に、一目惚れをした。 東月達とは運命なのかなんなのかはわからないが同じクラスだった。 東月とは奇跡的に隣の席で、私は一人歓喜していた。 「よろしくね」 「こちらこそよろしく、東月くん」 月子と私が仲良くなるのにそう時間はかからなく、必然的に東月とも一緒にいるようになった。 月子にクッキーを作ったりする東月くんは、私にも一緒にクッキーとかをくれた。 一番最初、東月くんは月子のことを好きなんだと、私は勝手に思っていた。 だけどそれは違った。 私が月子にお呼ばれして弓道部へお邪魔した時、一緒に東月といった。 そして、私は知った。 東月が誰を好きなのかを。 私はこの人に勝てないと思った。 好きな人と話す東月がとても嬉しそうで、私は胸が痛くなった。 体調が悪いと言って私は寮に帰り、一人で泣いた。 ただただ泣くことしかできなかった。 昔に何処かで聞いた話だと、男が男を好きになるのは、子孫を残そうという人間の本能を抜いて好きになるから、本当にその人のことが好きなんだと。 それを思い出して、本当に勝ち目がないと思った。 私は次の日学校にはいったが、屋上庭園でサボりをした。 悲しくて、それを紛らわせるために歌った。 ベンチに横になり小さな声で、誰にも聞かれぬよう。 だけど、私はまたやってしまった。 かつん、と、石が転がる音がして私は歌うのをやめてバッと起き上がった。 そこにいたのは、東月だった。 「と、づき…」 「ごめん、聞くつもりじゃなかったんだけど…あまりに綺麗でさ」 彼はそう言ってふわりと笑い、こう言った。 「もう少し、聞かせてくれない?」 私は、東月のために歌った。 小さな、小さな恋の歌。 きっと東月はあの人のことを考えている。 わかるんだ。 横顔を見ると、何を考えているのかが。 私が歌い終わる頃に、丁度授業は終わりを告げた。 東月はありがとう、と言ってまたふわりと笑った。 それだけで私の胸は暖かくなる。 そろそろ冬に入ろうというのだけれど、心は暖かくなった。 「お前なら、きっと売れるよな」 「えっ!?そんなことないよ…」 東月の言葉は嬉しかった。 だけど、昔を思い出してしまうんだ。 また、私は一人になってしまう。 私は、それをもう二度と繰り返したくなかったから。 「…私はもう、歌わないよ」 「…なんでだ?」 「趣味なだけで上手じゃないし…それに―――」 私が言った言葉は、強く吹いた風によって聞こえなかっただろう。 それでいいんだ、それで。 私の思いは箱に入れて、鍵を閉めて奥底にしまえばいいから。 「…残念、だな…。俺はお前の歌好きだけど」 そんな、本当に残念そうな顔しないで。 私が、泣きたくなる。 「…じゃあ、東月のために歌うよ」 「…本当か?」 「うん」 私がそう言うと、東月がまたふわりと笑った。 私は、東月が聞きたいという時に歌を歌い続けた。 卒業間際に、あるオーディションを受けたらそれに合格してしまい、デビューすることになった。 それを東月はとても喜んだ。 オーディションを受けろと言ったのは東月だったから、私は東月に心からお礼を言った。 「これからは、みんなのために歌うんだな」 東月がそう言ったけど、私は頷かなかった。 私はみんなのためになんて歌わない。 私はたった一人、東月の為だけに今も昔も歌い続けてる。 私の歌は、彼への愛だ。 愛言葉 下の話に続いてる感じ。 繋げて短編にあげてもいいかなぁ。 Title by 自慰 01.24 Thu 23:37:36 ∇その歌声が欲しい@錫也錫也が男が好きだったりします注意! 彼は、静かに彼女の歌を聞いていた。 星月学園卒業生である彼女は、俺と同級生であり、クラスメイトだった。 彼女の声は地声から既に綺麗なのだが、歌を歌っている時の声はもっと綺麗だ。 彼が彼女のことを好きになるのはわかる。 人懐っこい性格に可愛い容姿、白い肌、声…他にもあげるものは沢山あるがここまでにしよう。 取り敢えず、彼女には非の打ち所というものがない。 成績もよく先生受けのいい彼女は首席だった。 彼が好きな彼女に、俺は嫉妬していた。 俺は、彼女に勝る所が一つもなかったから。 俺には、彼に好きになってもらう要素が一つもなかったから。 彼女の歌を聞くたび、こう思うのだ。 あの綺麗な歌声が俺にあったら、彼は俺に振り向いてくれるをじゃないかって―― その歌声が欲しい Title by 自慰 01.21 Mon 23:11:39 ∇スープ@錫也「なんでこんなにスープまずいんだろ…」 私一人だけしかいないその部屋にその言葉が吸い込まれた。 一ヶ月くらい前までは美味しかったスープが、今は吐き出すぐらいに不味い。 自分で作ったものを褒めるなんてナルシストみたいだが、それはとても美味しかった。 チェーン店で出されるスープなんかめじゃないくらいには美味しかった。 「なんでだろ…」 私は、スープがまずくなった理由を考え始めた。 一ヶ月前といえば、食堂で東月と食事をした。 いつもは一人で食べていたのだが、食堂でばったりあって一緒に食べることになったのだ。 あの日、東月と同じ定食を頼んで食べた。 そういえば、定食にはスープがついていた。 あのスープが美味しかったから?…そんな筈がない。 だって、あのスープは今までだって何回も食べたことはある。 じゃあ東月と食べたことにあるのか? 東月は入学式の日に出会った。 私のいっこ下である東月達の入学式の日に月子が迷子になり一緒に探したのだ。 最初、東月を見た時は綺麗な人だと思った。 一緒に月子を探し回って見つけた時、東月が笑った。 とても、とても綺麗に笑ったのだ。 今でもその顔は鮮明に覚えている。 あの時、私の胸に小さな恋心が芽生えた。 その笑顔を、私に向けてくれないかな。 でも、それは私ではなく月子に向けられているものだった。 東月と月子が一緒にいるのを見るのが嫌で、避けていた時に食堂で東月と会った。 そして一緒に食事をした。 そうだ。 あの時だ。 東月が私に笑ってくれたんだ。 入学式の時みたいな、綺麗な笑顔。 あの日のスープは、本当に美味しかったから。 私が、東月を好きだから。 だから、一緒に食べた時のスープが美味しくて他のスープが不味いんだ。 「…どうしたら、美味しくなるのかな…」 孤独を愛せるよう こんなのをがちで考えた。 かなり短くまとめたけど逆によくわかんなくなったorz Title by にやり 01.20 Sun 05:08:20 ∇ねえ@春組+月子「ねえ」 「ねえ」 「ねえ」 「ねえ」 「やめてみんなで復唱してどうすんの」 「この頃君が冷たいから」 「構ってくれないから」 「怒るから」 「ご飯食べてくれないから」 「哉太だけそこに正座しろ●●●潰してやるよ」 「女の子がはしたないこと言わないの」 「錫也母さん、ご飯食べないんじゃなくてご飯の量が増えてるだけだ」 「君が冷たくて僕泣きそうだよ」 「冷たくしたかったんじゃなくて生理で苛々してたんだよ!」 「この頃かまってくれない…」 「ごめんね月子。それはね、あのバ会長とバ会計が余計なことするから月子と話せなくて。アイツ等絞めとくから安心して」 「じゃあこれから毎日話せる?」 「もちろん!月子と話すの楽しいから嬉しいわ」 「私も嬉しい!」 「哉太、はやく正座しろ。正座じゃなくていいや足開け●●●潰す」 「なんで俺だけ…!?」 「お前だけ余計なんだよ」 「アッア―――ッ!!!」 春組は騒がしいイメージしかなくて冬もか。 これ楽しい。 ●●●は何だろうねご想像にお任せします。 01.19 Sat 03:54:35 back |