Conversation sentence

何にも残していかないで@一樹

私と一樹は幼馴染みだ。
小さい頃からずっと一緒にいた。
私は一樹にずっと甘えていた。
事あるごとに私は一樹一樹って名前を呼んで助けてもらっていた。
一樹は一時期荒んでいた時期があったが、私はそれを見てみぬふりをした。
大好きだった一樹が、優しかった一樹が人を殴ったり傷つけたりすることなんかないって。
その時、一樹と出会ったのが月子だった。
前より雰囲気が柔らかくなった一樹と、可愛い女の子。
私は一樹が月子の事を好きなのだと悟った。
ずっと一緒にいたのに、私ではなく他の女の子のこと好きになるなんて。
でも、ある事件をきっかけに一樹は月子に近づかなくなった。
私はそのことにホッとした。
もしかしたら、私を見てくれるかもしれないって。
だけど、一樹はどこか悲しそうだった。

それからは何事もなく中学時代を過ごして、一樹と一緒に星月学園に入学した。
そして一樹は星月学園の生徒会長になった。

いつ頃だったかもう覚えていないが、一樹が桜士郎を庇って窓から落ちて怪我をしたことがあった。
私は一樹が心配で病院に行こうとした時に事故にあった。
同じ日に怪我するなんて馬鹿だなぁ、と暢気に考えながら自動車とぶつかった。
気がついたら病院にいて、横に一樹くんがいた。
私は一週間近く眠っていたそうで、とっても心配された。
それと同じくらいに怒られもしたけど…。
仲良く入院生活を過ごしていたのは良かったのだけれど、出席日数が足りなくなって留年してしまった。
この時は親にも呆れられた。
でも親は高校はちゃんと卒業しろと言って、私を通わせてくれた。
一樹と、ずっと一緒にいれることが嬉しかった。
だけど、それは崩れた。
私達が三年になった時、あの女の子…月子が入学してきたのだ。
一樹のことを忘れていたのに、彼女は暢気に笑って過ごして私は苛ついた。
一樹は傷ついてるのに、なんでコイツは笑ってるんだって。
だから私は月子と仲良くなんてしたくなかった。
だから、ずっと避け続けた。
なのに一樹が月子と仲良くしてやれよって、悲しそうに言うものだから、仕方なく仲良くした。

最後の一年とは早いもので、気がつけばもう冬も終わろうとしていた。
私は一樹と月子の関係の変化に気がついた。
どこかギクシャクしていて素っ気なかった。
これは何かあったと思って一樹に問いただしたら、月子に告白されたということだった。
私は、ショックで仕方なかった。
一樹の片思いなら私に勝ち目があったかもしれないが、両思いならば私は勝てやしない。
それから卒業まで一樹と話さないようにした。
学科が違うことが幸いしてか、会うこともなかった。
卒業しても私は一樹と会わないようにした。
大学は一緒だったが、選択している科目が違うから会うことはなかった。
気が付けば私は大学を卒業して、社会人になっていた。
毎日毎日仕事ばっかで自分の時間もなかった。
会社から電車で帰ってきて、私は重たい足を上げてアパートの階段を上った。
ドアの横にあるポストを開けると、公告と葉書が一枚ずつ入っていた。
それを手にとって家の中へと入った。
暗い部屋の電気をつけ、葉書を見た。
そこには、不知火一樹と夜久月子の名前が横に並んでいた。
心臓がどくん、と大きく脈打った。
暑くない筈なのに背中に汗が伝う。
胸の辺りがキリキリして、肺が押されている感じがした。

そっと、葉書を裏返した。
やはりそれは結婚式への招待状で、私はその場にぺたんと座り込んだ。
その葉書をじっと見つめていたら、涙が頬を伝った。

私はまだ一樹のことが好きなんだ。

昔、ずっと一緒にいた私じゃなくて月子を選んだ理由を、一樹になんでなのか聞きたかった。
でも今ならわかる。
私達はずっと昔から一緒にいて、家族のように過ごした。
きっと兄弟にしか思えなかったんだ。
だから一樹は月子を選んだ。
でも、私は本当に一樹が好きだった。
私は一樹の好きなところも、嫌いなところも全て言える。
こんなことを私に残していかないで。
私のものになってくれないのなら、いっそ私から全てを奪っていってくれればよかった――…

愛してるの言葉が欲しかった


なんかよくわかんなくなった〇│ ̄|_
結婚式の招待状ってどんな?
ぬいぬいが留年してること忘れててつけたしたとか…。
そのうち書き直してヤる。

Title by 確かにだった
Fri 01:05:38
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