Conversation sentence

スープ@錫也

「なんでこんなにスープまずいんだろ…」

私一人だけしかいないその部屋にその言葉が吸い込まれた。
一ヶ月くらい前までは美味しかったスープが、今は吐き出すぐらいに不味い。
自分で作ったものを褒めるなんてナルシストみたいだが、それはとても美味しかった。
チェーン店で出されるスープなんかめじゃないくらいには美味しかった。

「なんでだろ…」

私は、スープがまずくなった理由を考え始めた。
一ヶ月前といえば、食堂で東月と食事をした。
いつもは一人で食べていたのだが、食堂でばったりあって一緒に食べることになったのだ。
あの日、東月と同じ定食を頼んで食べた。
そういえば、定食にはスープがついていた。
あのスープが美味しかったから?…そんな筈がない。
だって、あのスープは今までだって何回も食べたことはある。
じゃあ東月と食べたことにあるのか?

東月は入学式の日に出会った。
私のいっこ下である東月達の入学式の日に月子が迷子になり一緒に探したのだ。
最初、東月を見た時は綺麗な人だと思った。
一緒に月子を探し回って見つけた時、東月が笑った。
とても、とても綺麗に笑ったのだ。
今でもその顔は鮮明に覚えている。
あの時、私の胸に小さな恋心が芽生えた。
その笑顔を、私に向けてくれないかな。
でも、それは私ではなく月子に向けられているものだった。
東月と月子が一緒にいるのを見るのが嫌で、避けていた時に食堂で東月と会った。
そして一緒に食事をした。
そうだ。
あの時だ。
東月が私に笑ってくれたんだ。
入学式の時みたいな、綺麗な笑顔。
あの日のスープは、本当に美味しかったから。
私が、東月を好きだから。
だから、一緒に食べた時のスープが美味しくて他のスープが不味いんだ。

「…どうしたら、美味しくなるのかな…」



こんなのをがちで考えた。
かなり短くまとめたけど逆によくわかんなくなったorz

Title by に
Sun 05:08:20
back
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -