冗談半分 | ナノ
(南→蘭拓)


「お前ら性別逆だったら良かったのになァ」

部活が始まる前、部室でいつものごとく蘭丸にからかわれながら着替えていたら後ろのベンチに座った南沢さんがそう言った。

「なんですか急に」
「お前が女で、霧野が男だったらお似合いだろ」
「オレはもとから男じゃ南沢ァ!!」
「へぇ。そうだったんだ」

蘭丸が投げたタオルを軽くよけて、南沢さんはニヤニヤ笑った。

「オレ、霧野が女だったら付き合ってたわ」
「うわ、付き合うこと前提とか自信過剰すぎです。ありえないです。つーか、オレはどんなことがあっても男ですし」

少し落ち着いて敬語に戻った蘭丸が嫌そうに言うのを、また南沢さんはニヤニヤしながら聞いている。ちらりと俺を一瞥して。
……この人。俺と似たような感情を蘭丸に抱いていたりするんだろうか。


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