(白シュウ) 自分と同じ男のくせに腕の中に抱いたシュウの体はほっそりとしていた。褐色で健康そうに見えるのに、時折シュウはどこか不安定な雰囲気を漂わせた。化身合体のためのパートナーという彼への印象は接するうちに変わっていった。自分と同じく強さを求めるシュウにまず、仲間として好感を持った。ある日見た一人で森に佇んでいた今にも消えそうな存在感しか発しないシュウを見て、胸がざわつくのを感じた。思えばあのときからだ、シュウを意識するようになったのは。 「…白竜」 抱き締める白竜に、自ら彼の背に手を回して応えたシュウがぼそりと彼の耳元で呟いた。 「君は、強くいなくちゃいけないよ。ずっとね、ずっと、僕のために、君自身のために」 「言われなくとも。…言っておくが俺は俺のために強くなる……お前だってそうだろう?」 「フフ、そうだね。ご名答…」 明るく笑ってくれたシュウに、心の中で白竜は安堵の溜め息をついた。 少なくとも今の彼は消えたりしない。この手で抱けるうちは。自分のために強くなろうとしているうちは。 無意識に腕の力が強まったことに、白竜はまだ気付かない。 君を抱きしめたままぐちゃぐちゃに腐ってしまえたらようやく生まれて良かったと思えるだろう 111227 title::子宮 |