(拓人) よくある例えだけど、俺の胸にはぽっかりと穴が空いてしまったようだ。涙も嗚咽もでてこない。ただ気持ち悪いほどの喪失感だけが俺を支配する。試しに名前をよんでも、いつもみたいな返事はなく、もちろん「神童」と俺を呼ぶ声もない。 誰かが――三国さんあたりが何かを言っているけど聞きたくない。それを聞いてしまったら戻れない気がして。(どこへ?) 霧野が早くここから連れ出してくれればいいのに、あいつには一生会えない気がする。俺を一人にしないと約束したくせに。 僕らを繋ぐ孤独の真理 110723 title::子宮 |