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みなさんこんにちは。先日、日本に帰って参りました柳瀬左近です。役者の父、商社マンの兄、そして中学生になる弟を家族にもち、現在高校3年生、趣味は料理、特技も料理、と武芸を少しばかり。一人称が「私」なのと敬語は仕様ですので悪しからず。そんな平凡な高校生であるはずの私は、昼休みである今現在、何故だか女子に囲まれ質問攻めに遭っています。そして同時に男子からの痛い視線。
…どうしてでしょう。あれですか、リンチ的な何かですか?いやそれはちょっと…


「ね、俺様たちもここ座っていい?」

「…ええ、どうぞ」

「んじゃ、椅子持ってくるね!」


なんて思考を飛ばしていると、いつの間にか机かいっぱいに広がるお弁当。と、わざわざ椅子を持ってきたらしい麗しい美女たち(仮)。あ、名前が分からないから(仮)なだけであって別に彼女たちが美しいのが仮ってわけではないのであって…あれ、自分でも何を考えているのか分からなくなってきました…、
ですがとりあえずは。


「お名前を伺っても?」

「あ!俺様は猿飛佐助。皆は佐助って呼んでるよ」

「俺は猿って呼んでるがな」

「ちょっとやめてくんない?何なの人のこと猿猿猿って!」

「Wow!お前人間だったのか」

「政宗、その辺でやめとけよ」

「Oh、元親に毛利」

「転入生ひいてんじゃねーか」

「…貴様らには配慮というものが無いのか」


なぁ?なんて銀髪の女の子に話しかけられましたが何と答えればいいのでしょうか。そうですね…やはりここは、


「いいえ、そんなことないですよ。ところで、自己紹介の続きを…」


話をそらしましょう。騙しているようで少し心苦しくはありますが…致し方ありません、これも和平のためです。


「俺は伊達政宗、よろしくなダーリン?」

「…darling?」

「Yeah、俺のことはハニーとでも呼んでくれ!」

「Honey…ですか、」

「…俺は長曽我部元親、えらく発音いいなアンタ」

「ええ、帰国子女ですから…」

「Ha!そんなことも知らないのかよ姫チカ」

「…お前な、いまそれ言わなくても」

「煩い、長曽我部。我は毛利元就。分からないことがあれば我に訊くが良い」


……元気があってよろしいですね。まあ、今紹介があった分は覚えましたし…一応私の自己紹介も致しましょうか。「…皆さんご存知かと思いますが、柳瀬左近です。この度はアメリカから越して参りました。未熟の身でありますので、至らない部分も多々あるかと思いますが、何卒宜しくお願い致します、」


少々恰好つけてみたつもりですが、いかがでしょう?


「っ、カッコイイぜダーリン!嫁にしてくれ!」

「ちょっと、竜の旦那!左近さんから離れなよ!」

「Ha、聞こえねえな!」

「ま、そういうことだからよろしく頼むぜ!」

「…こやつらが煩わしくなったら我の元へ来い。成敗してくれる」


どうやら私は転入早々、お友達が4人もできたようです。それにしても伊達さんの呼び名、さすがにhoneyはまずいですよねぇ…どうしたものでしょう。


(左近は俺の運命の人なんだから誰にも渡さねぇ)
(男を落とすにはまず胃袋ってね!明日から左近さんの分のお弁当も作ってこよう)
(こういうインテリ系…うちの野郎共にはいないタイプだな)
(ふん、見かけは悪くない)







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