ムッちゃんは兄になろうとしてたけど、おれは弟なんかで終わる気はなかった。

きっと、おれはまちがえたんだ。ムッちゃんといっしょにいたいからって、兄弟なんかに生まれちゃって。そうだ、おれはまちがえたんだ。ムッちゃんの近くにいたいからって、兄弟なんかを選択しちゃって。なぁ、そうだよ。兄弟なんかより、隣に住む幼なじみのほうがよかった。血がつながってないんなら、なんだって言える。すきだとか、愛してるとか、キスしたいとか、いっしょに宇宙に行こうとか。(ああ、これは兄弟でも言えるか…)うん、幼なじみのほうがいい。おれ、ムッちゃんにキスしたいし、愛してるって赤くなって言われたいし、好きだよって抱きしめたいし。…あ、でも、兄弟で宇宙飛行士のほうがかっちょいいな。それに、それがおれの、いや、おれたちの、夢だし。(なぁ、そうだろ、ムッちゃん)でも、おれはムッちゃんにキスしたい。ムッちゃんに愛してるって言われたい。ムッちゃんに好きだって言いたい。だから、だから、やっぱり幼なじみがいい。…でも、でも、どうしたっておれは弟でムッちゃんは兄だ。血も繋がってるし、結婚しなくてもいっしょの戸籍だ。ねぇ、なんで?神さまなんて信じてないけど信じてないけど、恨み言のひとつくらい、零したくなるよ、ねぇ、なんで?神さま、なんで、どうしておれとムッちゃんは兄弟なんですか。ひどいよ、あんまりだ、すきも愛してるもキスもなんにも言えない言われないできない、ムッちゃん、ああ、こんなにこんなに愛してるのに!

ムッちゃん、ムッちゃん、愛しているよ、ほんとうだよ、嘘じゃないよ、ムッちゃん、ムッちゃん、愛してる、だから、

弟なんかで終わりたくないよ、

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