ああっ、たまらない、たまらないね、その弛んだ肉の重みに感じちゃうよ。エクセレント、ああ、エクセレントだ。もうね、おれ、授与したいくらい、賞状とか、授与したい。そのくらいたまらない、いい肉だよ、誇っていいよ、きみはさ、ほんとに、

「…なんでそんなこと言ってゆるされんの?」

弟は弛んだ肉こそが至高!女性は太めであるべき!と主張しているばかだ。が、モテる。それはもう兄のおれの倍の倍くらいには。おれがもう死にたいよと、思うくらいには。

「ん〜、顔がいいから?」

神さまのクソッタレ!!!!!!

「…そーゆーことを訊いてるんじゃないんだけど」
「いや〜、でもさ、そうじゃなきゃおかしいよ。おれのいいとこなんてそれしかないもん」

おれはいつも神に悪態をついてきた。弟は美しい顔をしている。おれはふつうの人の顔だ。弟は美しい。まるで神のような、顔をしている。

(おれも神に、と、)

思うのは罪だろうか。

「…おれが、ゆるされてるんじゃなくて、ゆるしてくれるんだよね、みんな、」

やさしいよ、神さまみたいだ、…兄ちゃんも、

「神さまみたいだよ」

瞬間、おれは頭の中で神を、弟を殺した。

(なにをされてもいい。でも、同情だけはされさくなかった!)

そうかよ、とひねくれた言葉を吐きながら、強く首をしめる。

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