仮免に落ちた。もう、それだけで、それだけで死にたい。
(…脱輪なんてしたことなかったのに!)
どうしてだろう。緊張?焦り?気づけばハンドルを切るのが遅くて、戻すのが遅くて、ガコンッ、と揺れたのがわかった。
(でも、だめだった。どうしてもだめだった。戻しかたがわからなくて、もう!)
教官に急ブレーキ。ハイ、試験終了です。無慈悲な声が響く。ちがうんです。わたし、まだやれるんです!わたしの力はこんなものじゃないんです!ほんとうなんです。信じてください、信じて…、
「ハイ、じゃあ、1時間、補習ね、」
無慈悲な声が響く。社会!ぬるま湯の学生生活とはちがう。社会!無慈悲!無慈悲!無慈悲なる!社会!あああああああああ、
(どうして?脱輪なんてしたことなかったのに!)
クランク!スピードが速すぎる!カーブ!スピード!スピード!スピード!でも、ブレーキの上に足をのせたまま?カーブを曲がってはいけなかったのに!
(どうしてだろう。緊張?焦り?非日常だから!だから!)
って、許してはくれない。断・罪!断る!
(そして、合・宿!わたしだけ、わたしだけ落ちたという、気まずさ!)
そして、イライラが隠せないわたし!ギクシャクした関係!気まずさ!だから、だからだからだからだから、
「消えたい」
−−−−−−−−−−
30分前に落ちました。