今日、白い苺を食べた。なかなか美味だったので、名を訊いたら、初恋というらしい。わたしは一気に冷めた。初恋!初恋だと?なんだ、その名は?そんな名に、胸をときめかせるのは、初潮もきていないような、初な娘だけだろう!わたしは怒った。妻はとまどっていた。初恋って、甘酸っぱいものじゃなかった?と妻は言うけれど、わたしは、もういい。と、ぴしゃり、妻の言葉の頬を打った。一人になったわたしは、まだ怒っている。わたしの初恋はけっして甘酸っぱいものなどではなかった!ただただ苦く、苦しく、悲しく、憎く、難く、ただただ…。ああ、初恋などという、ばかけた名をつけた者たちを、八つ裂きにして、怒り狂いたい!苦い初恋もあるのだ!と声高に叫びたい!わたしの恋は始まりもしなかった!始まる前に終わってしまった!わたしは、あの女性のためなら、死んだってよかったのに!ああ、ああ、ああ、

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