「あのよ、俺さぁ、なんつーか…、」

やっぱり…、おまえのおかげで、あいつと俺は…、俺は…、〜ッ、だから!

「………ありがとな」

…いやさ、そりゃ、俺が悪いよ?俺がさ、おまえの相談にのったりとか、さ、したのが悪いよ?ううん、でも、俺、かっこわるいけど、後悔してる。そんなこと、しなきゃよかった、って。おまえの相談なんか、曖昧に流しておけばよかった、って。…そうしたら、

そうしたら、俺の隣にあの娘がいたかもしれなかった?

ああ、自己嫌悪。なんで、って、今さら、こんなこと、うじうじ考えてる、からだよ。ばかみたいだろ?すきな女の子、たった一人、奪えずに、むしろライバルを助けたりなんかして、今さら、ああすればよかった、こうすればよかった、なんて、さ、ばかみたいだろ?

「大上さぁ〜ん!」

ばかみたいだろ?悔しくて、つらくて、悲しくて、しかたがないのに、

「華ちゃん、どうした?」

そんなこと、まったく顔に出さずに、笑って、あの娘の名前を呼べるなんて、俺、ばかみたいだろ?

「なぁ、」

できれば、こんな俺を嘲笑ってほしいんだ。ええ、ばかみたいね。って。そうしたら、少しは楽になれる気がするから。…頼むよ。

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