「……手、」

冷たいんですね。と蒼井華が小さく呟いた。俺の指先をやわらかく包みながら。

「へぇ、」

じゃあ、俺は心があたたかい人間なんだなぁ。と言うと、蒼井華は、イサナさんの心があったかいわけないじゃないですか。と言った。

「……かわいい女だなぁ、おまえは」

かわいくなんかないです、と頬をふくらませる。ほら、そういうところがかわいいんだよ。わかってやってるのか?

「手を、」

蒼井華の手をにぎる。ああ、あたたかい。俺の手の氷が溶けていく…。

「ふふ、冷たい俺とあたたかいおまえ、」

なぁ、俺たち、相性がいいと思わないか?

「……思いません」

ぷっ、あはははっ、かわいいなぁ!蒼井華!おまえのそういうところが、すきだよ!

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