ユメウツツ___
今日のテストは散々だった。授業を聞いてないわけでもなければ家で勉強してないわけでもない。なのに、何故。連日の徹夜と心地よい電車の揺れが私の眠気を誘う。あぁ、私はもう頑張った、家に着くまでは寝よう。急速にぼやけ始める視界と記憶の狭間で、私は何かを見た。
「ああ、それは此方で対処する」
「急いで行くので待っていて下さい」
どこかで見たことのあるようなスーツのその人は、ケータイで忙しく話ながら電車を駆け降りた。
後にひらりと舞う書類の袋。
それは私の足元に落ちてきた。
夢のような心地よさを感じつつ、とうとう私は眠りについた。
夢か現実か、拾うか否か。今の私にとって最重要な事はそんなことではない。
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