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だんだんと夕焼けに染まってくる午後4時頃、私は半ばスキップしながら帰路についていた。なんていったって、今日はあの有名な洋菓子屋"lightning"で、一日限定20個発売の超プレミアム品なモンブランをゲットしたのだ。

このあいだ財布を無くして困っていたおじさんがいたから一緒に探して見つけてあげたら、なんとそのおじさんはlightningのパティシエさんだったなんて!私の過剰なまでの"困ってる人を見たら助けてあげたくなる"性質も捨てたもんじゃない。その性質のせいでトラブルに巻き込まれることも多々あるが、今は棚にあげておこう。


少しだけ遠くの帝国大学に通うにあたって、お父さんは私に独り暮らしを命じた。鬼道財閥の名の元、立派なレディーにならなくてはいけないらしい。私はやけに豪華なマンションの一室を与えられ、特に何事もなく一人でひっそりと住んでいる。とはいっても私が寂しがりなのを知ってる有人はよく遊びに来てくれるので今のところは挫けてはいない。でも本当の事を言ってしまえば、有人にここで一緒に住んでほしいと思っていたりするぐらい、寂しかったりする。別にブラコンとかじゃなくて、ただ単に一人は寂しいのだ。あぁ、ペットでもいればなー。

そんな感じに普段なら今の時間あたり、軽くホームシックにかかる頃だが今はモンブランの事しか頭にない。さぁ、早く家に帰ろう。

端から見た私はさぞ不審だろうと気づくのははしゃぎすぎて石につまづきそうになってからの事。









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