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女が落ちてきた。ので、思わず受け止めてみた。
詳しく言えないほど謎な女だ。つうか初対面だし、ちいせえし。誰コイツ。でもやけに鬼道さんと仲良さげだったから妹か?いや、でもさっき成神がブーツがなんたらと言っていた。もしや、彼女……!?
「あ、えっと、ごめんなさいっ!」
「あ、あぁ」
「悪いな佐久間。名前も怪我はないか?あまり無茶するな。見てるこっちがヒヤヒヤする。」
「ごめん有人…」
鬼道さんの事を親しげに有人と呼ぶから益々彼女疑惑が拭えない。なんてことだ。
すると聡明な頭脳を持つ我らが鬼道さんは俺の思考を読み取ったかのように話し出す。あれですか、あのブロック技のスーパースキャンを使ったのですね…!
「遅くなったが、こちらは俺の姉。名前だ。迷惑かけてすまない」
姉貴、だと…?
いやいや有り得ないだろうこんなチビが偉大なる鬼道さんの姉貴だなんて。成神は妙に納得しているようだが。いや、本当に待ってくれ。これじゃあどう見積もったって……
「妹、じゃなくてですか?」
「あぁ、これでも姉なんだ」
「ちょ、有人ひどい!」
「階段から落ちた奴が何を言う」
「う…」
鬼道さんに姉貴がいるなんて、初耳だ。
「えっと、佐久間くんだっけ?ありがとね!」
「や、別に…」
名前を覚えられている事に少し驚いた。笑った顔は少し鬼道さんに似ているかもしれない。
「うわー佐久間センパイ照れてるしー」
「初めてじゃねーの、女に間違われなかったのは」
「るせー!」
茶化してくる成神と辺見に怒鳴っては見たけど、案外図星だったのは秘密だ。
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