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「ねぇ明王ちゃん、彼女まだできないの?」

「うるせぇ黙れひっつくな」

「やだーっ」


明王ちゃんの広いベッドにくっついて寝そべる私たち。明王ちゃんだって嫌々言いながら絶対離れない。っていうか明王ちゃんに未だに彼女できないなんて。まぁ明王ちゃんに彼女できたら私の場所なくなっちゃうけど。


「俺が作りたくねぇんだよ」

「なんで?」

「好きな奴の事は遠くで見ていれば十分」

「……え、明王ちゃん好きな人いたの!?」

「……」


あからさまに"しまった"って顔をする明王ちゃん。ちょっと、初耳なんですけど!


「つーか俺はもう話しただろ。お前は監督とどうなんだよ?」

「あー、久遠さん?…それがね……」


最近は久遠さんに会っても全然ドキドキしないんだよね。


私がそう告げると、明王ちゃんはとても驚いていた。こんな驚いた明王ちゃんの顔なんてレアだ!

「おまっ、あんなに久遠さん久遠さんって煩かったじゃねぇか!」

「なんかね、久遠さんに会いに行くといつも他の人の顔が浮かぶから心がギュッとなってあんまり楽しくお話できない」

「はァ?それってソイツの事が好きなんじゃねぇの?」

「え、そんな、嘘だー」

「いや、それしか考えらんねェだろ。つうか誰だよ」

「有人のお友達」

「……って事は俺とタメ?」

「そうだと思う」

「鬼道ちゃんの友達か、」


鬼道ちゃん顔広いからなぁ、と唸る明王ちゃん。うーん、明王ちゃんの好きな人ってだれだろう。考えがつかない。


「佐久間くんって子なんだけどねー」

「はぁぁ?佐久間ぁ!?」


いきなり明王ちゃんが大声あげるからびっくりして舌を噛んでしまった。痛い。


「明王ちゃん知ってるの?」

「銀髪に眼帯だろ?」

「そうそう!」

「めちゃくちゃ知り合い…」

「へぇー。明王ちゃんなんでそんなに嫌そうな顔すんのよ」

「色々あンだよ」


その時玄関の方でインターホンの音が響いた。









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