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次の日、私は学校の帰りに約束通りキャットフードを買いに行った。家から歩いて数分のGマートは確か品揃えがいいって有人が言っていた気がする。
しかし私はなめていた。確かにGマートは品揃えがよかった。そりゃあもうキャットフードなんて何十個もあるぐらいに。
「どれにしよう…」
そもそも猫に詳しくない私はキャットフードとドッグフードの違いも分からなければジロウの好みなんてもっと分からない。こんなことならジロウに聞いておけばよかった。もしかしたらまたケータイで打ってくれるかも知れないし。…ジロウが言葉を分かってる前提になっている私の頭が怖い。ありえないだろ。
「お困りですか?」
「そうなんですよ、もうほんと……え」
やばい。つい独り言の延長線で話しかけてくれた知らない人とナチュラルに会話してしまった。一体誰だ。
「あれ、鬼道のお姉さんですよね?」
「えっと、源田くん、だっけ?」
「ええ」
なんだか見たことあると思ったら、この間久しぶりに帰省(?)した際に会った有人の友達、源田くんだった。茶髪が上手いぐあいにセットしてある。こないだと全く同じだ、すごい!…ってそんな事に感動してる場合じゃなくて…
「キャットフードの事とか詳しかったりする…?」
「キャットフード、ですか?」
「あ、敬語とか別にいいよ!昨日猫を拾ったからねぇ…」
「あ、はい」
うーん、と唸り一緒に考えてくれる源田くん。優しいなぁ、モテそう。
「どのぐらいの猫なんだ?」
「んーこのぐらい」
手でジロウの大きさを似せてみる。意外に小さいな。
「それならたぶんこれで大丈夫だと思う。家の猫と同じぐらいだからな」
「ほんとに?ありがとう!」
「いや、鬼道には世話になっているからな」
「あはは、私も鬼道だよ源田くん」
「そ、そうか…」
「名前でいいよ、どうせ年下にしか見えないし」
「そうか、わかった」
丁寧に食べさせ方の説明までしてくれた源田くんとは店前で別れて、私はやっとジロウの待つ我が家に帰宅するのだった。
(ジロウ、おいしい?)
(にゃあ)
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