25___
「名前早くー」
「ぬ、ちょっと待って」
ある晴れた日の土曜日。赤髪の男の子がドアを開けて待っているのは、高めのヒールパンプスをはいているピンクブロンドの女の子。
「できた」
「ほら、おいで」
「うん」
自然に差し出された手をはにかみながら握る女の子に、男の子は囁いた。
「そのスカート、似合ってるよ。すごく可愛い」
すると女の子はチークで桃色の頬をさらにピンクに染めて声を絞り出す。
「ヒロト、だって、かっこいい」
「ん?聞こえなかった」
「うそつき!ばかヒロト!」
「ごめんごめん。」
二人は手を繋いだまま、いつしかのオシャレなカフェへと足を向ける。
「名前、髪の毛も時間かかったでしょ」
「うん、大変だった」
「可愛いなぁ、もう」
「だって、」
「ん?」
「デートとか、初めてだから」
薄紅色の頬で俯き緊張が溢れる女の子を見て、男の子は繋いでた手をしっかり握り直した。
「僕なんて、人生で一番ドキドキしてる。…はは、なんかカッコ悪いな」
「ヒロトも、ドキドキしてるの?」
「もちろん」
「そっか」
女の子の顔に笑顔が戻り、男の子は歩き出した。
「ねぇ名前、」
「なぁに」
「好きだよ」
「私も」
25時にキスして@おわり