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気づけば朝、だった。
足先が冷たくて、でも体は心地よくぽかぽかして、その違和感に気がついて目が覚めた。目を開けて一番最初にみえたのは鮮やかな、水色。
「い…ちろうた…?」
私の長いピンクブロンドと混ざって一体化したように見えたそれは、私の声に反応して一朗太が起き上がったことにより絡み合うことなくほどけた。あ、もったいない。
「起きたのか、」
昨日は泣きながら寝ちまったんだぞ、と笑う一朗太。どうやら私が一朗太に抱きついたまま寝てしまったので一緒に寝ることになったんだとか。
「迷惑かけちゃってごめん」
「何いってんだよ、お互い様だろ。俺がサッカー部に移るとき一番相談に乗ってくれたのはお前だろ!」
「…ありがと」
そういえば一朗太が悩んでたあの時も一朗太の家に泊まって話聞いたっけ。そんでそれから…
「一緒に買い物にでも行って気晴らしをしないか?」
そう、買い物したんだ。あの時一緒に食べたアイスは美味しかった。
「うん、じゃあ一回家に帰ってもシャワー…」
「いいよ、家の使いな。ヒロトの家に帰るんだろ?」
服は俺のしかないけどさ、店で買えばいいだろ、と優しく笑う一朗太の気遣いが傷ついた私の心に染み込んだ。