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「あっ、やぁん、ヒロトぉ」



甘ったるい声と香水と汗の臭いが充満する僕の部屋。


下で喘いでいるのは名前ではない。僕の事が好きな、でも僕は好きじゃない、"彼女"。

最近僕は学校へ行くのもダルくなって、毎日のように自分の部屋へ女の子を連れ込んでいる。

そろそろ彼女が帰ってくる頃だろうか。まぁいい。続けてしまえ。どうせ名前には好きな人がいて、それは僕ではないのだから。なんでなんでなんで。僕はこんなにも君が好きなのに。



「ヒロ、ト、キスして」


その一言に毎回迷いが生じるのは気のせいではない。名前を想って、目を閉じ唇を貪る。しかしながら、やはり目を開ければ彼女の訳がなく。あぁ神様、あなた様は残酷すぎはしませんか。



ただいま、と奥の方から声が聞こえた。名前が帰ってきた。


「ヒロト、誰か、来たっ」


「構わないさ、妹だ」


そう言い訳をして行為を続行する。いいんだ、名前には好きな人が。



ドアの外側で彼女が唇を噛み締めて立ち尽くしているのも知らずに、僕はただ本能的な快感に酔いしれた。












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