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「ごめんね」




昼休み、屋上で。

朝来たら下駄箱の中に入っていった白い封筒の差出人は中川くん。ぶっちゃけ、私知らない。

たぶん何度か話したことはあるのだろうけど、生憎私の貴重な脳内記憶メモリは家族やサッカー部、それにヒロトの事でいっぱいだから、覚えてない。


そんな私にしてみれば初対面同然な人に好きだなんて言われても、ごめんしか言えないよね。別に悪いとは思わない。あ、でも名前ぐらいは覚えてあげなくちゃ可哀想か。



「そっか…。やっぱり、基山くんが好きなの?」



「ヒロト?好きだよ?」



そういうと中川くんはハハハと笑って、そういう意味じゃないんだけどなぁ、と言った。


「わざわざごめんね、呼び出したりして」



「ううん、大丈夫」


「こんなこと言うのもあれだけどさ、これからも友達でいてよ」


「うん」



そうして中川くんは屋上を出ていった。
私はまだ弁当を食べてないのを思い出し、ヒロトに電話をかける。
私のお弁当持ってきて、それから一緒に屋上で食べよう、と。


それから中川くんはひとつ、大きな勘違いをしている。

さっきの質問、私はそういう意味で言っているのに。










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