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あぁ、一体名前は誰に呼ばれたんだろう、なんて返すのだろう。

もし付き合ったりして、そんな報告を名前の口から聞いたりしたら、僕はどんな反応をすればいいのだろう。


そんなもやもやした気持ちのまま昼休みを迎えた。



いつものように、名前と一緒に教室の隅でひっそりお弁当を食べようと思っていたのに当の本人は授業が終わるとすぐにどこかへ消えてしまった。


残された僕としては気が気じゃない。
サッカー部メンツでお弁当を食べてはいるものの、どのおかずも、今朝作った甘く焦げた卵焼きでさえ味がわからなかった。



「どうしたの、基山くん。元気がないよ」


先日の対戦相手校について盛り上がっていた円堂くんたちの中から急に吹雪くんが話しかけてきた。


「え、そう?」


「うん、とっても」


「そういえば基山ってさ、名前ちゃんとどこまでいったの?」


横からひょい、と顔を出した一ノ瀬くんの質問に、僕はドキリとした。



「、名前とは付き合ってないよ」


「ええっ!?ホントに!?」



からかっているわけではなく、純粋に知らなかった様子の一ノ瀬くんは、お箸でつまみ上げていたタコさんウインナーをポロリと落とした。そんなに驚く事かな。



その時、僕のケータイがブルブルと振動した。授業の前にマナーモードに設定したままだ。
こんな時間に電話をかけてくる人なんて、彼女ぐらいのはず。




「もしもし」



電話越しの彼女の声は少しも様子が変わっていなかった。

おかえり、僕の安泰。









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