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「それでね、怜名がねー…」

「ほぅ、そんな事を」



風介くんの隣を歩きながらたわいもない話をする。風介くんはやはりクールで私が一方的に話しているようにも見えるが、時々相槌をうってくれるし、なかなか楽しい時間だった。

楽しい時ほど時が過ぎるのは早いもので、あっという間に私の家の前。…ってあれ?


「風介くんの家ってどこ?」

「私か?私の家は郵便局の近くだ、あのでかいドラッグストアがある」

「ええっ」


なんてことだ、ドラッグストアなんていったらほぼ反対方向じゃないか。わざわざ私をここまで送ってくれた、だと…?これは、もしや。

…しかし、ここで私の頭はフル稼働した。まてまて、風介くんに限ってそんな恋愛フラグが立つわけあるか。一瞬だけとうとう堕ちたかと期待した10秒前の私の考えはなかったことにしよう。だいたい今までの経験上、風介くんが「少しでもお前といたくて」なんて頬を染めながら言う姿は想像できない、いやきっとカッコイイんだろうけど。


「ごめんね、わざわざ送ってもらっちゃって」

学校を出る辺りでもう計算はしないと心に決めた私ではあるが、ついつい私の自慢の左斜め45゜で上目遣いになるように顔を傾けてしまうのは最早癖だろう。


「いいんだ、友人の女の子を一人で帰らせるほど私は多忙ではないからな」


クールに微笑んだ風介くんがカッコよかったからかどうかは知らないが、気づけば私はケータイを鞄から抜き取って風介くんにつき出していた。


「風介くん、メアド交換しよ!」

自分でも本能のまま動きすぎて驚いたが、もちろん風介くんも驚いていた。でも結局無事にアドレス交換ができ、意外にもこういうところは単純な私はいつになく上機嫌で家の門を跨いだった。帰ったらきっとベッドに転がりながらニヤニヤして風介くんにメールを送るんだろうな、と想像すると、我ながら壮絶に気持ち悪い。誰かにそんな姿を見られたら私は自害するだろうに。











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