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「怜名、やっべぇ、まずかったらどうしよおおお」

「少し黙れ」


昨日の経験を生かして今日はクッキーを焼いてきてみた。実は料理も出来る、家庭的女子アピール。ソッコー買ってきた兎やクマ、お花などの型で抜いたクッキーは食紅なんかでかなりカワイイ感じに仕上がっている。私的には味もなかなかだし、サッカー部に持っていってみようかな、と思う訳だけれど。


「風介くんって甘いの苦手そう…!」

「知るか」


どうしよう、でも折角作ったのだから渡さないと私のプライドが許さない。あぁ、なんか私、女々しい…

いや、女の子ですけどね!



全く相手にしてくれない怜名にマシンガントークをかましていたら、いつの間にかもう部活の時間になっていた。慌てて二人で校庭に駆け出して、なんとか間に合ったわけだが、私の手にはしっかりとクッキーをいれたタッパーが。これは配るしかないのだな。


「あ、怜名に名前ちゃん、やっときた。ギリギリだよ」

「ごめんね基山くん」


怜名がそっぽを向いたまま謝らないので私が謝っておく。なんだかなぁー、まぁいいけど。


「あれ、名前ちゃん何それ?」

「あ、これは…」

「もしかして差し入れとか?」

「うん、まぁそんなかんじ」

「うわぁ嬉しい!晴矢、風介、差し入れだって!」


基山くんの声を聞きつけて遠くから呼ばれた二人がやってくる。…って、基山くん、ちょっ、風介って…!いや、嬉しいけどさ、まだ心の準備が…!

The ピンチ of 私。












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