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「おはよう、玲名」
「おはよう、なんだ今日は元気がないな。彼氏でもできたか」
「彼氏できたらテンションあがるわ」
彼氏はいませんが好きな人ならできました、なんて言ったら笑われるだろうか。
「はぁ…」
「ため息するごとに幸せは減るらしいぞ」
「同じ分だけ息吸うからいいもん」
私、名前は昨日、一目惚れをしたようです。ちなみに初恋。
「ほぅ、名前が恋か」
「なんか悪いわけ…って、ちょっ!?」
「なんかオーラが」
「!」
「ちなみに誰だ」
「私が聞きたい」
そう答えると案の定、訳が分からないという顔をする玲名。だって私より玲名の方が知ってるでしょ。
そう、あの人。
「昨日の白銀の人。一目惚れってヤツかも。」
「………風介。」
「え?」
「昨日ヒロトと一緒にいた奴だろう。アイツの名前は風介だ。」
ふう、すけ。
「全く、アイツは難しいと思うがな」
風介くん、ね。
名前を自分の心の中でゆっくりと復唱すると、私の中の何かが燃え上がるのが分かった。
難しい、だって?冗談じゃない。見てろ、この私を惚れさせたんだ、必ず振り向かせて見せる!
「奴はほとんど教室からでないからな、他クラスに疎いお前が知らなくても当然だ。」
「え、同じ学校なの!?」
玲名はニヤリと妖しく私に笑いかけた。
「C組だ」